入居前はどのような状況でしたか?
兄は独身で一人暮らしをしていました。父はすでに亡くなっており、母も別の施設に入居していたため、親族で動けるのは私一人だけの状態でした。
私自身にも自分の家庭があり、日々の生活がある中で、兄が入院することになりました。下のお世話など介助を含めて日常的な介護が必要な体調になってしまい、私の自宅に引き取って面倒を見るような環境は整っていませんでした。私一人で兄の介護をすべて背負うことは到底難しいという、現実的な負担と限界を感じていました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
兄が入院し、退院の時期が見えてきたものの、身体の状態から考えて自宅に戻って生活を再開するのは難しい状況だったことが、施設を探し始めた直接のきっかけです。
排泄の介助など日常的な介護の手がどうしても欠かせない状態でしたが、自宅でそれらのケアを行える環境ではなかったため、病院から退院するタイミングに合わせて入居できる介護施設を探していただくことになりました。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
施設への入居を決めるにあたって、葛藤や罪悪感というよりも、家で兄の面倒を見るのは現実的に絶対無理だという思いが強かったです。
兄は一人身で、両親を頼ることもできず、身内は私しかいませんでした。ですが、私にも自分の家庭がありますし、下のお世話までしなければならない状態の兄を引き取れるような環境ではありませんでした。流石に私一人では面倒を見切れないという状況でしたので、介護の手が必要である以上、施設にお願いするしかないという受け止め方をしていました。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
私自身の見学時の不安というよりも、入居する兄本人の不安が大きかったように思います。
兄はもともと不安症を抱えていたことに加え、直前に入院していた病院での対応があまり良い印象ではなかったため、次の施設がどのような場所になるのか、どんな扱いを受けるのかについて本人はとても不安がっていました。施設を探す側としては、兄本人が払える費用や私の手出しで支援できる予算の範囲内であることや、ほったらかしにせず日中に体を動かしてくれたりリハビリを手厚くしてくれたりする環境を求めていました。