家族の家ひまわり杉戸
に76歳・女性・要介護1で入居中の方へのインタビュー

母は一人暮らしだったのですが、物忘れがとてもひどくなってきていて。一人にさせておくのは、やっぱり「怖いな」という気持ちがずっとありました。孤独死とかも心配だったので、お昼にお弁当を入れてもらうようにはしていたんですけど、それでも心配事は絶えなかったですね。

決定的なきっかけは、ご近所の方に迷惑をかけてしまったことですね。ヘルパーさんとかも入れてたんですけど、ある日ご近所の方から連絡があって。母が朝の5時とかにインターホンを鳴らして、もう親父は亡くなっているのに「お父さんがいない、お父さんがいない」って騒いでしまったと。それを聞いて、本格的に施設を探し始めました。

特にはありませんでした。罪悪感とか申し訳なさより、とりあえず心配のほうが強かったので。母自身の意見を聞ける状態ではなかったので、「悪いけど、もう無理だ」って言って、こちらで決めるしかありませんでした。とにかく誰かが見守ってくれるところに、というのが一番でした。

何件か見学させてもらったのですが、やっぱり共同トイレの施設がほとんどだったんですよ。建物も少し老朽化していたり薄暗かったりする施設もあって、そこで生活することを思うと少し違うのかな、と思っていました。

母自身は、楽しそうに「お友達ができたよ」って言う時もあれば、「いじめられてる」みたいな被害妄想を言う時もあって、「どっちなんだろう」と思いながら聞いています。レクリエーションにはあんまり積極的に参加していないみたいですけど、友達に誘われればやる、という感じらしいです。あとは施設の中をよく徘徊してるらしいので、運動はそれで大丈夫かなと思ってます。 私自身の気持ちの変化としては、「気が楽になった」っていうのは絶対ありますね。24時間誰かが見てくれているというだけで、安心感は全然違います。時々よくわからない電話が母からかかってきて、それはイラっとしますけど。でも、自分ではとてもじゃないけど見れないので。自分では、全てにおいて無理ですよ。こっちも仕事でバタバタしてると、「あ、母のこと忘れてた」なんてこともありましたし、しょっちゅう顔を見に行けたわけでもなかったので、本当に助かっています。

家族の家 ひまわり杉戸さんを見学した時に、まず建物が明るくて、きれいだったんです。それに、個室にちゃんとトイレが付いていました。他の施設も見ましたが、清潔感とかを比較検討した上で、「少し高かったけど、ここだったら」と決めました。

何件か見学した中で、他の施設は少し薄暗かったり、共同トイレだったりしたんですが、ひまわりさんはまず建物が明るくてきれいでした。一番の決め手は、個室にトイレがあったことです。プライベートな部分がある程度守られるから、ここなら良いかなと思いました。少し高くても、その価値はあると感じています。

見学に行った時から、スタッフの皆さんがすれ違うたびに笑顔で挨拶してくれて、「気持ちいいな、ここの施設は」と思ったのが最初の良い印象でした。入居後もその印象は変わらず、特に施設長さんは気さくな方です。例えば、私がただ書類を出しに立ち寄っただけでも、「お母さん会ってきなよ！」って気軽に声をかけてくれるんです。こっちが「いいよいいよ、めんどくさいから」なんて冗談で返しても、結局母ちゃんを呼んで会わせてくれたりとか。そういうやりとりがあるので、施設に行ってもなんだか楽しいですよ。

何かあれば、本当に些細なことでも絶対連絡をくれるので安心です。例えば、病院の受診日が近づくと、1週間くらい前に「〇日の件、大丈夫ですか？」と確認の連絡をくれたりします。こちらが面会に行けない時でも、様子が分かるようにしっかり連携してくれるので、信頼してお任せできています。

そうですね、値段がもう少し安ければいいな、ぐらいで。それぐらいしかないですね。本当に色々良くしてもらっているので、もう何も言うことはないです。

「気が楽になったは絶対ありますね」という言葉に、ご家族だからこそ抱える介護のプレッシャーと、専門の施設に託すことで得られる安心感の大きさが表れているように感じました。特に、用事があって立ち寄った際に施設長さんが「お母さん会ってきなよ！」と声をかけてくれるエピソードには、思わず「実家みたいですね」とお伝えしてしまったほど、温かい関係性が伝わってきました。施設が、ただの入居先ではなく、ご本人とご家族双方にとっての心安らぐ拠り所になっているのだと感じる、貴重なお話でした。