「その人らしい暮らし」を叶えてくれる、居室の自由度の高さ
この施設を選んで本当に良かったと思う理由の一つが、居室のカスタマイズを快く許可してくださったことです。寝たきりの母は、一日のほとんどをベッドの上で過ごします。目を開ければ天井、横を向けば壁、という生活の中で、少しでも心が安らぐようにと、母の好きそうなインテリアで部屋を飾りたいと相談しました。
すると、「ご本人らしいお部屋にするのは大歓迎です。危険なものでなければ何でも持ち込んでいいですし、壁に鋲を打っても構いませんよ」と言っていただけたんです。その言葉が本当に嬉しくて…。
入居前に妹と二人で、母の好きだったヨーロピアン調のチェストを運び込み、壁にはバティックの布を飾り、間接照明をいくつか置きました。おかげで、無機質になりがちな施設の一室が、温かみのある母だけの空間に生まれ変わりました。母もきっと、その部屋を気に入ってくれていたと思います。
入居者だけでなく、家族にも寄り添ってくれるスタッフの温かさ
スタッフの皆さんの人柄も、この施設を選んで良かったと心から思える点です。母へのケアが手厚いのはもちろんのこと、私たち家族にまで、いつも温かく接してくださいました。
特に、週に何度も面会に通っていた父のことを、いつも気にかけてくださったのが印象的です。「お父さん、いつもありがとうございます」と声をかけてくださったり、父の体調を気遣ってくださったり。入居している本人だけでなく、その家族の心にまで寄り添ってくれる姿勢に、何度も救われました。
母が亡くなった後も、施設に挨拶に伺った私たちに「いつでも顔を見せに来てくださいね」と優しく声をかけてくださり、本当に温かい場所だったなと改めて感じました。
専門家が太鼓判を押す「悪い噂のない」という安心感
施設探しは、病院から紹介された専門の会社の方に間に入っていただいて進めたのですが、担当の方が「この施設は、辞めたスタッフからも悪い話を聞いたことがないんです。だから、業者としても自信を持ってお勧めできます」とおっしゃっていました。
介護業界では、どうしても退職者からネガティブな口コミが出てしまうこともあると聞きます。そんな中で、そうした話がほとんどないというのは、それだけ働きがいのある、雰囲気の良い職場なのだろうと感じました。スタッフの方々が気持ちよく働けている環境は、きっと入居者へのケアの質にも繋がるはずです。その言葉が、私たちの施設選びの大きな後押しになりました。
長期的な視点で安心できる、納得感のある費用設定
施設選びでは、やはり費用面も重要なポイントでした。もっと高額で素晴らしい設備を備えた施設もありましたが、私たちは「長く安心して暮らし続けられること」を最優先に考えました。
父の年金を中心に支払う計画でしたが、もし父に何かあった場合を考えると、あまりにギリギリの計画では不安が残ります。その点、この施設は私たちの予算内で、かつ提供されるケアや環境にも十分に納得できる、バランスの取れた場所でした。この先、何年お世話になるか分からない状況で、経済的な不安なく母を預けられたことは、家族にとって大きな安心材料となりました。
「食事が美味しい」という評判
もともと母は味にこだわる人だったので、美味しいものを食べることが生きる力になるだろうと考えていました。しかし、入居して1週間ほどで、感染症のリスクなどから経鼻栄養から胃ろうに切り替えることになったんです。そのため、結局、母が施設の美味しいと評判のご飯を口にすることは一度もなかったのは、少し心残りではあります。