そして遂に、私にも母にも、一番ショックを与えた出来事が起こりました。
この施設は、もともと夜間の見回りを行っていませんでした。各ベッドにセンサーが設置してあり、それで入居者の状況を管理しているという説明でした。大手ならではの最新設備だと、見学時は感心していました。
しかしある夜、母は歩行器でトイレに行こうとしたのか、廊下に出てへたり込んで動けなくなってしまいました。周りには誰もおらず、廊下にナースコールもありません。
動けなくなり、母は持っている履物で必死に音を立てて助けを呼んだそうです。その時の母の恐怖はどれほどのものだったでしょうか...。それを考えると今でも胸が痛みますし、正直なところ、夜間の見回りがないという施設の環境に対して、憤りを感じざるを得ません。そもそも、定期的な巡回があれば、母が廊下で長時間動けずにいることもなかったはずです。
こうした数々の出来事が積み重なり、母も「もうここはいやだ」と泣いて訴えるようになりました。料金は決して安くはなかっただけに、なぜこれほどの思いをしなければならないのか。
退去を決めた理由は一つではありません。様々な不満が重なり、私も母も我慢の限界を迎え、決断したというのが正直なところです。
...続きをみる