SOMPOケア そんぽの家Ｓ庄内
に81歳・男性・要支援2で入居中の方へのインタビュー

父はもともと田舎の方で、母が亡くなった後もしばらく一人暮らしを続けていました。当初は「できるだけ長く自宅で」という思いもありましたが、田舎ゆえに利用できる介護サービスが極端に少なく、ヘルパーさんをお願いするにしても近所の目が気になったり、父自身が他人を家に入れるのを拒んだりと、なかなかうまくいきませんでした。 やがて父には老人性うつのような症状が現れ、夜眠れない寂しさからか、深夜の通販番組に依存するようになってしまいました。冷凍庫に入りきらないほどの商品が届き、家の中は不衛生になり、ゴミ出しもままならない状況でした。私や妹も遠方に住んでいたため、すぐに駆けつけることができず、精神的な不安は募るばかりでした。

決定的なきっかけは、週3回通っている人工透析の送迎時に起きたトラブルでした。お迎えが来ても父が出てこず、透析室から「来ていない」と連絡があったんです。近所の方に鍵を開けて入ってもらったところ、父は自宅で転倒し、立ち上がれなくなっていました。 この知らせを受けた時、「もう限界だ、これ以上自宅で過ごさせるのはあまりに危険だ」と痛感しました。妹は最後まで「自宅で」と粘っていましたが、私は自身の仕事の都合や、主人の単身赴任先からすぐに戻れない物理的な距離も考え、大阪近郊の施設探しを本格化させました。

私は自分なりに居宅介護事業所に相談して施設をリストアップし、パンフレットを取り寄せたりしていました。しかし、最終的には主たる連絡先となった妹が、私の提案とは別の施設、SOMPOケア そんぽの家Ｓ庄内を独断で見つけてきて、「もうここに決めた」と事後報告を受けた形でした。 医療職の経験がある私からすると、父のような透析患者で脳梗塞の既往もある人間を、スタッフ配置基準が決まっていないサ高住に入れて大丈夫なのかという不安は拭えませんでした。ただ、主として動いている妹に任せるしかないという、家族間での複雑な思いや葛藤を抱えながらの入居となりました。

入居後の父は、環境の変化もあってか、2度脳梗塞を起こしました。それ以降は転倒のリスクを考慮して、施設内では基本的に車椅子での移動となっています。もともと歩けていただけに、筋力がどんどん落ちていってしまうのではないかという心配は正直あります。「だんだん弱っていく父の姿を見に行くような気持ちになることもある」というのが正直なところです。 ただ、自宅での生活では常に不安がつきまとっていたので、24時間スタッフの方が見守ってくださる環境になったことへの安心感は大きいです。特に、週3回の透析治療をきちんと続けられていることは、何よりありがたいこと。近くの病院まで送迎もしていただけるので、治療が滞る心配がなくなりました。透析クリニックの看護師さんたちがとても良くしてくださるそうで、父にとってはそこでの会話が良い刺激になっているようです。 レクリエーションは、カラオケ大会などがたまにある程度で、毎日みんなで集まって何かをする、という感じではないようです。父は少し寂しく過ごしているかもしれませんが、それでも安全な環境で、必要な医療を受けながら暮らせている。遠方で暮らす私たち家族にとっては、それが一番の安心につながっています。

父にとって週3回の透析は、命をつなぐための欠かせない治療です。施設を選ぶ上で、この透析治療をきちんと継続できる環境が整っているかは、非常に重要なポイントでした。こちらの施設では、近くの透析クリニックと連携されており、毎回送迎もしていただけます。自宅で一人暮らしをしていた頃は、体調が悪くても自分で行かなければならなかったり、私たちも通院できているか常に心配していましたが、今は施設のサポートのもとで確実に治療を受けられています。これは本当にありがたいことだと感じています。

施設はとても綺麗で、清潔感があります。居室も個室なので、父自身のプライベートな空間がきちんと確保されています。他の入居者の方々と常に一緒というわけではなく、一人の時間を静かに過ごしたい父にとっては、こうした環境が合っているのかもしれません。大勢での生活が苦手な方や、ご自身のペースで暮らしたい方にとっては、プライバシーが守られている点は大きなメリットだと思います。私たち家族が面会に行った際も、気持ちよく過ごすことができます。

人員配置やサービス内容について専門的な視点から気になる点はいくつかありますが、現場で働いていらっしゃるスタッフの方々は、皆さんとても感じが良く、親切な方ばかりです。これは父からも聞いていますし、私たちが面会に行った際に接する中でも感じます。日々、父のケアをしてくださっているのがこういう方々だと思うと、安心して預けることができます。システムのことは色々思うところはあっても、最終的に人と人との関わりが大切だと思うので、スタッフの方々の人柄の良さは、この施設を選んで良かったと思える点の一つです。

サ高住については、ある程度自由度が高い施設だという認識はありました。ただ、実際に父が入居してみて、介護サービスの内容については想定と違う部分もありました。例えば、父の筋力低下が心配なのでリハビリを受けさせたいのですが、介護保険を使ってリハビリを利用すると料金がかなり高くなると聞き、今は利用できていません。また、以前はリハビリを兼ねたデイサービスに通っていましたが、入居後はそれもなくなり、日中の活動量が減ってしまったのは少し残念でした。 もっと入居者同士の交流や、日々の活動が活発に行われているのかなと想像していましたが、実際は個々のプライバシーが尊重される分、思ったよりは静かな環境のようです。良くも悪くも「賃貸マンション」に近い側面があるのだなと感じました。

まず、透析から帰ってくるのが午後になるため、父は昼食を施設で食べることができません。以前はパンなどを持たせてくれていたようですが、脳梗塞で嚥下の状態を心配されてからは、それもなくなりました。食事代は3食分お支払いしているはずなので、何か代替の食事を用意していただくか、料金面での配慮があるとありがたいなと感じています。 また、これは私の立場が特殊なのかもしれませんが、情報共有の面で戸惑ったことがあります。主な連絡先は妹になっているのですが、父が脳梗塞で入院した際、私が施設のスタッフさんに状況を尋ねたところ、「第二連絡先の方にはお伝えできません」と言われてしまいました。緊急連絡先として登録しているのに…と、とても不安な気持ちになりました。最終的には施設長さんが間に入って説明してくださったので良かったのですが、緊急時の連携については、もう少し柔軟に対応していただけると家族としては安心です。 それから、父は不眠を訴えて変な時間に眠剤を飲む癖があったため、事前に「一括管理し、勝手に出さないでほしい」と強く念押ししていました。しかし、現場のスタッフが、父が内服している薬の中身やその重要性をどこまで深く理解しているかという点に疑問を感じることが多々あります。 サービスについても、例えば訪問看護の利用など、本当に父にとって今必要なサービスなのか、費用の内訳を含めてもう少し詳しく説明していただけると、より納得してお任せできるのにな、と感じることがあります。

医療職でいらっしゃるということもあり、非常に客観的かつ専門的な視点でお話をしてくださったのが印象的でした。ご自身が主な決定権者ではないことへのもどかしさ、そして妹様との関係性など、ご家族の事情が絡み合う中で、お父様にとっての最善を模索されているご様子がひしひしと伝わってきました。施設のサービスに対する鋭いご指摘の中に、家族として安心してお父様を任せたいという切実な願いが込められているように感じました。