入居前はどのような状況でしたか?
母は父が亡くなってから30年以上、実家で一人暮らしを続けていました。しかし88歳を過ぎた頃から、だんだんと歩くのがおぼつかなくなり、掃除や入浴といった日常生活も一人では難しくなっていきました。特に、寝室やキッチンが2階にある家だったので、階段の上り下りが大きな負担になっていたようです。
しばらくはヘルパーさんに来てもらい、入浴の介助や買い物を手伝ってもらっていましたが、それもいよいよ限界を迎えていました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
母の一人暮らしが体力的に限界に近づいていると感じていたこと、そして何より、私自身が病気の後遺症で介護をできる状態でなくなってしまったことが、施設への入居を真剣に考えるようになった大きな理由です。
母の米寿のお祝いをした頃から本格的に探し始め、自宅から通える範囲でいくつかの施設を見学しました。母にとっても私にとっても、これからの生活を安心して送るための、前向きな決断だったと思っています。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
母は本心では、私との同居を望んでいたと思います。その気持ちに応えられないことには、やはり申し訳ないという気持ちがありました。しかし、自分の体では満足な介護をしてあげられないという現実がありました。
最終的に、私の手術後の足の状態を目の当たりにしたことで、母も「娘に頼ることは難しい」と納得してくれたようです。お互いにとって苦しい部分もありましたが、現実を受け入れ、二人で前に進むための決断でした。