入居前はどのような状況でしたか?
母は87歳で、要介護4の認定を受けていました。入居する前は末期癌で病院に入院しており、積極的な治療は難しい状況でした。当時はコロナ禍の真っ只中で、病院での面会は一切できず、家族として顔を見ることもできない日々が続いていました。母がどのような思いで過ごしているのか、不安な気持ちでいっぱいだったことを覚えています。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
施設を探し始めたのは、入院していた病院から「末期癌のため、これ以上病院でできる処置はありません」と告げられたことが直接のきっかけです。
ちょうどコロナの影響で医療現場も非常に慌ただしい時期でした。そんな中、病院の担当者の方から「ホスピスに移れば、最期の時間を家族と一緒に過ごせますよ」と提案があり、こちらの施設を紹介していただきました。私たちにとっては、他の施設を探すという選択肢も時間的な余裕もなく、まさに緊急対応といった形での入居検討でした。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
正直なところ、入居を決める際に大きな葛藤や罪悪感を感じる余裕はありませんでした。母は末期癌で、一刻も早く穏やかに過ごせる場所を見つけてあげたいという思いが強かったですし、何よりもコロナ禍で叶わなかった「面会」ができるようになるという点が、私たち家族にとっては何よりの希望でした。病院からのご紹介ということもあり、迷っている暇はなく、母のために最善の選択だと信じて決断しました。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学に伺った際は、コロナ禍ということもあり、まず施設の感染対策がどのようになっているかが気になりました。また、母がこれから過ごすことになる部屋の内装や、窓からの景色、トイレの使いやすさなど、生活環境を細かく確認させていただきました。
少し気になったのは、施設長さんにご案内いただいている最中に、他の入居者さんのご家族から、スタッフが動かした椅子の位置について少し厳しい口調で指摘が入る場面があったことです。もちろん、ご家族が神経質になるお気持ちは痛いほど分かりますが、少しだけ施設内の雰囲気に不安を感じたのは事実です。