入居前はどのような状況でしたか?
父が90歳を過ぎた頃の話です。もともと一人暮らしで、大きな病気もなく元気に過ごしていましたが、ある日、心臓の具合が悪くなり入院することになりました。
入院前は、家でテレビを見たり新聞を読んだり、穏やかな毎日を送っていました。ただ、やはり高齢での一人暮らしには、私もどこかで不安を感じていました。今回の入院で、その不安が一気に現実味を帯びてきたのです。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
入院をきっかけに、退院後の生活をどうするかが大きな課題となりました。父は90歳を超えていましたし、一度体調を崩したこともあり、これまで通りの一人暮らしは難しいだろうと判断しました。
3ヶ月ほどの入院期間中に、病院のケアマネージャーさんから施設紹介会社さんを紹介していただき、本格的に施設探しを始めることになりました。退院が迫る中、父が安心して暮らせる場所を見つけなければという思いでした。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
正直なところ、施設にお願いすることに罪悪感が多少ないこともないという気持ちでした。できれば自分の家で見てあげられたら、それが一番だったのかもしれない、という思いです。でも、私たち夫婦も年を重ねていますし、24時間体制での介護は現実的に難しい。「そんなにやってたら潰れちゃうかな」という本音もありました。
ただ、父の入居前の生活を考えると、一人でテレビを見ていることが多かったので、施設に入っても生活スタイルが大きく変わるわけではない、むしろベッドやトイレが使いやすくなって安全かもしれない、と考えるようにしました。週に一度は必ず顔を出しに行く、それは実家にいた頃と変わらないと自分に言い聞かせ、決断しました。父自身も、施設への入居に特に抵抗はありませんでした。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学に行った時、特に不安に感じることはありませんでした。施設の中も綺麗でしたし、担当の方の説明も丁寧で他の方の口コミで聞くような、食事の匂いが気になるとか、入居者さんの様子が暗いとか、そういったネガティブな印象は全くなかったです。試食もさせていただきましたが、味も美味しかったですよ。
ただ、入居することになる父本人は、見学後に「俺が一番元気みたいだ」と話していました。周りの方々と比べて、自分の介護度が軽いと感じたのかもしれません。