入居前はどのような状況でしたか?
母が89歳の時でした。
それまでは姉と一緒に自宅で暮らしていましたが、ある日、お風呂場で心筋梗塞を起こして倒れてしまったんです。幸い命は取り留めたものの、以前のように歩くことは難しくなり、車椅子に近い生活になりました。もともと糖尿病や高血圧という持病もあり、入院中はせん妄のような症状も見られたと聞いています。認知症というほどではありませんでしたが、やはり年齢的なものもあり、姉と二人で自宅で介護を続けていくことには、大きな不安を感じていました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
本格的に施設探しを始めたのは、母が入院している間のことでした。
心筋梗塞で倒れた後、退院しても以前のように自宅で生活するのは難しいだろうという状況になり、退院後は自宅に戻らずに、そのまま施設へ入居する方向で考え始めました。入院期間が1ヶ月以上ありましたので、その間に姉と相談しながら、母を受け入れてくださる施設を探したという経緯です。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
正直なところ、施設にお願いすることには大きな葛藤がありました。「戻れるなら家に戻してやりたい」と、何度も思いました。
長年住み慣れた家から離れなければならない母のことを思うと、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。しかし、母の身体の状態や安全を考えると、24時間専門のスタッフさんが見てくださる環境の方が安心だという現実もあり、家族にとっては苦渋の決断でした。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
他の施設は特に見学せず、ご縁があったこちらの施設にお願いすることにしました。見学というより入居当日のことですが、一つだけ少し気になったのは食事のことです。
お昼の時間帯に入居手続きが重なったのですが、食堂へ行った母が部屋に戻ってくるまでが本当にあっという間で、「え、もう食べ終わったの?」と驚いてしまうほどでした。母にこっそり尋ねると、「少ないのよ」とボソッと呟いていて…。もちろん、糖尿病の食事制限があることは重々承知していましたが、「ちゃんと足りているのかな、物足りない思いをしているのではないか」と、少し心配になりました。