SOMPOケア そんぽの家Ｓ上野毛
に86歳・男性・要支援2で入居中の方へのインタビュー

義父は長年一人で暮らしていましたが、86歳になり、その生活に「このままでは危ないのではないか」と感じるようになりました。具体的に大きな出来事があったわけではないのですが、日々の暮らしの中にそういった傾向が見られるようになった、というのが正直なところです。このまま一人でいさせて、もしものことがあったら…という思いから、施設への入居を検討し始めました。 施設探しは私の妻が主に担当し、自宅から近いという条件で探しました。複数の施設を比較検討したというよりは、近くにちょうど良い施設があったので、そこに決めたという形です。

もちろん、義父本人からすれば住み慣れた家を離れたくないのは当然で、施設に行くことには抵抗がありました。なので、当時は「騙し騙し」という形で入居してもらった、というのが実情です。 一方で、私たち家族に「施設に預けることへの罪悪感や葛藤があったか？」と聞かれると、それはありませんでした。危ないかもしれない状況で一人暮らしをさせておくよりは、安全な場所に移ってほしいという思いの方が大きかったからです。

入居してからの義父ですが、本人がどう感じているかは分かりませんが、私たちから見ると「安心したんだろうな」とは思います。 そして、一番の変化は、私たち家族の心境です。一人暮らしをさせていた頃は、やはり「何かあるかもしれない」という漠然とした不安がありましたが、その緊張感からは解放されました。本人がどう思っているかは別として、我々としては非常に安心感があります。

他に比較できる施設がないのですが、私の母親はグループホームに入居しています。その施設の経験から比べてみても、今、義父がお世話になっている施設は、大規模でかなりしっかりしていると感じます。 例えば、こちらはきちんと食堂が完備されていますし、部屋もプライバシーが守られる個室です。設備が充実している、いわゆる大型施設に近い安心感がありますね。そういった基本的な部分がきちんと維持されていて綺麗に保たれていると思います。結構いいところだ、というのが率直な感想です。

繰り返しになりますが、私たち家族にとって一番良かったことは、この「安心感」です。一人暮らしをさせていた頃の、「いつ何かあるかわからない」という不安から解放されたことが何より大きいです。 昼間だけでなく、夜間も24時間スタッフの方が見守ってくれる環境があるというだけで、私たちの精神的な負担はかなり軽くなりました。義父本人も、家に執着する気持ちはあったでしょうが、今は安全な環境で暮らしているという事実は変わりません。その環境を整えられたことが、施設にお願いして良かった点です。

ここの施設は、良い意味で「干渉しすぎない」ところも合っていると感じます。コロナ禍の時期は別として、現在では面会のための事前予約なども特に必要なく、「この時間からこの時間まで」という範囲で比較的自由に出入りができます。 他にも、私たち家族と一緒に外出することも可能です。普段の生活も、施設側から何かを強制されることはなく、本人のペースを尊重してくれているように感じます。病院への付き添いなどもなく、健康面の管理も施設内である程度完結しているので、その点も助かっています。付かず離れずの、ほどよい距離感でサポートしていただいている印象です。

入居してみて、想定外だったことや、何か改善してほしい点というのは特にありません。 もちろん、細かく見れば「個別個別のこと」は色々あるのだと思います。ですが、全体としてお願いしたいサービスはきちんと提供していただいていますし、「想定の範囲内」で満足しています。お互いに心地よい距離感を保てているのが、良い点なのかもしれません。

今回お話を伺ったのは、義理のお父様が施設に入居されているというご家族様でした。お電話口でお話しされるその口調は終始穏やかで、一つひとつの質問に対して、ご自身の言葉で率直に語ってくださったのが印象的でした。 「罪悪感はなかった」「想定の範囲内で満足している」といった言葉には、飾らない誠実さが感じられました。施設での暮らしについて、過度な期待や理想を語るのではなく、現実的な視点でお話しくださったからこそ、その言葉には非常に説得力がありました。 ご家族が「安心」できることを大切に、施設との良好な関係を築かれているご様子が伝わってくるインタビューでした。この体験談が、同様の状況で悩むご家族にとって、一つのリアルな参考例として届けば幸いです。