入居前はどのような状況でしたか?
父が77歳の頃でした。要介護度は2か3だったと思います。認知症の症状があり、物忘れはもちろん、次第に私たち家族の顔や名前も思い出せないことが増えていきました。それでも体はまだ自分で動かせる方で、杖などは使わずに、なんとか自力で歩けている、そんな状態でしたね。
入居する前は、実家で母と二人で暮らしていました。認知症の父を母が一人で見るのは、やはり日々の生活の中で大変なことも多かったと思います。専門的なケアが必要なのではないかと感じ始めていました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
父は母と二人で暮らしていましたが、やはり認知症の症状が進むにつれて、自宅での生活に限界を感じるようになりました。トイレの失敗が増えたり、夜中に落ち着きがなくなったりと、母一人で24時間体制で介護を続けることへの負担は、日に日に大きくなっていきました。
父の安全を確保し、専門的なケアを受けさせてあげたいという気持ちと、母の心身の健康を守りたいという両方の思いから、家族で話し合い、施設への入居を本格的に検討し始めました。期間としては、1ヶ月から2ヶ月ほどで、いくつかの施設を調べたり見学したりしました。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学の際、施設の設備面で特に大きな不安はありませんでした。ただ、施設がグループホームのような形式だったので、もともと人付き合いが得意なタイプではない父が、他の入居者の方々と上手くやっていけるだろうか、という点は少し心配でした。静かに過ごすことを好む父だったので、集団生活に馴染めるか、ストレスを感じないか、という懸念があったのです。
また、母が特に気にしていたのはお風呂の回数です。施設では入浴が3日に1回程度だと伺い、肌が弱く、毎日お風呂に入る習慣があった父にとっては少し少ないのではないかと。衛生面や皮膚のトラブルについて、母はとても心配していましたね。