入居前はどのような状況でしたか?
母は当時82歳で、要介護1の認定を受けていました。認知症の症状はあり、物忘れがひどかったり、時々混乱して幻覚のようなことを口にしたりすることもありました。ただ、体はとても元気で、自分の足でしっかりと歩ける状態でしたので、特に医療的なケアは必要ありませんでした。
それまでは一人で暮らしていましたが、やはり心配で、私の家の近くのアパートに引っ越してきてもらっていました。とはいえ、日中などは一人になる時間も多く、認知症の症状が進む中で、このまま一人暮らしを続けさせていいものか、という不安が常にありました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
近くのアパートで一人暮らしをしてもらっていましたが、母の認知症は少しずつ進んでいるように感じられました。自分がどこにいるのか分からなくなってしまうような混乱した様子が見られるようになり、このままでは何かあったときに対応できない、一人にしておくのは危険だと強く感じるようになりました。
そこで、専門の方に見守っていただける施設への入居を考え始めました。探し始めたのは2020年の4月頃です。とにかく早く落ち着ける場所を見つけてあげたいという思いが強く、いくつか見学した中から、すぐに入居できるこちらの施設にお願いすることにしました。探し始めてから1ヶ月ほどでの決断でした。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学の際に不安に感じた点は二つありました。一つは、やはり一番重要な点で、母のような認知症の症状がある人に対して、きちんと対応していただけるのかどうかということです。これが一番の気がかりでした。
もう一つは、居室の設備です。お部屋の中にトイレはあったのですが、扉がなくカーテンで仕切るだけのタイプでした。プライバシーの面で、母本人も少し気になるのではないか、私たち家族としても少し抵抗を感じたのが正直なところです。