この施設を選んだ決め手の一つは、見学のときに感じた「雰囲気の良さ」でした。実はもう一軒、別の施設も見学したのですが、そちらは少し静かで重たい空気を感じました。一方でこちらは、
入居者の皆さんが談話室で楽しそうにおしゃべりをしていて、とても明るく、わきあいあいとしていたんです。
言葉を失ってしまった母には、こうした人との繋がりを感じられる温かい環境が合っているのではないかと思いました。見学時の直感は間違っておらず、入居後もその明るい雰囲気の中で、母は穏やかに過ごせているようです。入居してまだ2、3日しか経っていない頃、母が部屋で転倒してしまうというアクシデントがありました。幸い大きな怪我はありませんでしたが、原因は部屋の手すりの向きでした。母は右半身に麻痺があるため左手で手すりを使いますが、その部屋は右手側に手すりがあったんです。
そのことを施設の方にお伝えすると、すぐに「手すりの位置が合うお部屋に移りましょう」と提案してくださり、2週間後には別の階の適切な部屋へ移動させてくれました。入居直後のトラブルにも関わらず、
原因をきちんと受け止め、迅速かつ柔軟に対応してくださったことで、家族としても大きな信頼が生まれました。施設での暮らしは窮屈なのではないか、という心配もありましたが、ここは良い意味で自由度が高いと感じます。例えば、母の好きなプリンやゼリーを差し入れできますし、週に1回ほど移動販売車が来て、入居者が自分でお菓子などを買うこともできます。母もそれを楽しみにしているようです。
厳しいルールで縛るのではなく、
一人ひとりの生活を尊重してくれる姿勢が、「家にいる感覚に近い」という安心感につながっているのだと思います。
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