入居前はどのような状況でしたか?
義父は当時96歳、要介護認定は1か2だったと思います。一人暮らしをしていましたが、認知症が少しずつ進んでいる状態でした。
時間の感覚がわからなくなって、まだ薄暗い早朝に「晩ご飯を食べに来た」と私たちの家を訪ねてきたり、食事をしたこと自体を忘れてしまったりすることが増えてきました。足腰も弱ってきて、杖がないと歩けない状態でした。幸い、食事や入浴を極端に拒否するようなことはありませんでしたが、だんだんと在宅での生活が難しくなっているのを感じていました。
特に、主に世話をしていた妻の負担が日に日に大きくなっていくのを見て、私も心苦しく思っていました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
本格的に施設探しを考え始めたのは、入居する1年ほど前のことです。きっかけは、やはり義父の認知症の症状が進み、私たちの生活への影響が大きくなってきたことでした。
早朝に訪ねてくるなど、予測できない行動が増え、私たち家族、特に妻の負担が限界に近づいていると感じたのです。「このままでは共倒れになってしまうかもしれない」という危機感が、施設利用を具体的に検討する後押しになりました。
ただ、義父自身は施設に入ることに前向きな時もあれば、「やっぱりやめておく」と気が変わることもあり、なかなか話が進まない状況が続いていました。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
最終的に入居を決める段階では、義父本人は施設に入ることに乗り気ではありませんでした。そのため、私たちは少し心苦しかったのですが、半ば説得するような形で話を進めました。
「病院みたいなところがあるから、一度行ってみようか」と本人に伝え、まずは体験入所のような形でお試しで泊まってもらうことにしたのです。
家族の生活を守るためには必要な決断だと頭では分かっていても、本人の意思に反する形で進めることへの罪悪感や葛藤は、確かに入居の日までありました。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学に訪れた際、いくつかの施設と比較して、建物が少しこぢんまりしているな、という印象を受けました。規模が小さいこと自体が悪いわけではないのですが、他のもっと大きな施設を見た後だったので、「サービスの内容や質が、他と比べて見劣りしないだろうか」という不安を少し感じたのを覚えています。
また、入居一時金が他の施設に比べて安価だったことも、正直に言うと少し気になりました。費用が抑えられるのはありがたい反面、「どうして安いのだろう。何か理由があるのではないか」と、サービスの質について少し疑念を持ってしまった部分はありました。