入居前はどのような状況でしたか?
私の両親は、ずっと福岡の実家で二人で暮らしてたんですよ。きっかけはね、お袋が転んじゃったことなんです。人工関節を一つ入れてて、「もう一回転んだら車椅子になるよ」って医者に言われてたんだけど、案の定また転んじゃって。結局、車椅子生活になっちゃったんですよね。
そこからがもう、大変で。うちの親父は若い頃に単身赴任が長かったもんだから、「ずっと苦労をかけてきた分、最後は俺が実家で面倒を見るんだ」って聞かないんですよ。責任を感じてたんでしょうね。家をバリアフリーに改造したり手すりを付けたりして、必死にやってたんです。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
私はたまに行っては、「親父、あんたが倒れたらどうすんねん」ってずっと言い続けてたんですよ。でも、「いやいや、大丈夫だ」って。ガスは危ないからIHに変えろとか、セコムも付けようとか、いろいろやってはみたんですが、ある時、やっぱり親父が倒れたんですよ。
幸い、2軒隣が昔からよく知ってる人だったから、すぐに救急車を呼んでくれて助かったんだけど。
「ほら、言わんこっちゃない」と。その時にようやく親父も納得してくれてね。そこからようやく施設探しが始まったんです。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
葛藤っていうより、とにかくあの頑固な親父を納得させるまでが山でしたね。でも、自分が救急車で運ばれるようなことになったから、ようやく本人も覚悟が決まったみたいで。
私からは、「一旦入ってみて、嫌だったらやめたらいいやん」って言いました。そうやって逃げ道を作ってあげたことで、なんとか入居までこぎつけた感じですね。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
施設探しを始めた当初は、とにかく自分の目で見て回るしかなかったんですが、正直言って不安というか、モヤモヤする部分が多かったんですよね。いくつか施設を回っていく中で、建物は立派でも「なんかここ、人が良くないな…」って直感的に感じてしまうところが結構あって。
自分の親を預けるわけですから、一番心配なのはやっぱり「人」なわけですよ。それに加えて、親父が「月々は自分とお袋の年金の範囲内じゃないと絶対嫌だ」ってしつこく言うもんですから、予算の問題もある。条件に合うところを見つけても、肝心の「人の雰囲気」に納得がいかなくて、「本当にいいところが見つかるんやろうか」と、どうしたもんかなってずっと頭を抱えていたんです。
そんな時に、お袋が入院していた病院から「新しくできた二日市温泉翔裕園がいいよ」って紹介されて行ってみたんですが、そこへ行ったらこれまでの不安がすーっと消えましたね。とにかくね、非常に「人」が良かったんですよ。もう、一目見て「あぁ、そういうことだろうな」って納得できるくらいに。