介護付き有料老人ホームハートワン霞ヶ浦
に74歳・女性・要介護2で入居中の方へのインタビュー

施設に入る前は、義母の認知症がだんだんと進んできていました。昔のこと、自分が子供の時とか若い頃のことはすごくよく覚えているんですけど、つい最近のことは忘れてしまって。同じことを何度も繰り返し聞かれたり、昔の嫌な記憶がすごく強いみたいで、その愚痴を毎日ずっと聞かされる、という感じでした。 義母が家にいるので私も外に出られなくて、ずっと家の中で義母と二人きり。家の中でもずっとつきまとわれて、常に気にしないといけないんですよね。 私がトイレに行ったりお風呂の掃除に行ったりして、少しでも義母から目が離れると、気がついたら冷蔵庫を開けてむしゃむしゃ食べていたりとか。食べたこと自体を忘れちゃうので、「さっき食べたでしょ？」って言っても、「食べたの？」みたいな感じで、少し不満そうでしたね。 隠れてコソコソ食べている姿を見つけちゃうこともあって。鍋に残っているものを、お玉ですくってそのまま口に運んで食べていたりもしたので…。私はまだ自分の母ではないので、それを見つけた夫が少し嫌な気持ちになった、とは言っていました。家族でもやっぱり感じ方が違いますからね。私としても、その都度いちいち対応しなければいけないのが、少し大変でした。

自宅での介護が大変になってきたな、と感じていた頃、義母の認知症の症状からか、少し攻撃的な面も出てくるようになりました。それで、「これはもう、施設を探した方がいいのかもしれない」と本格的に考え始めました。

施設に入ってもらうことに対して、もちろん、申し訳ないな、という気持ちはありました。でも、それ以上に、正直なところ「これで少し楽になる」という気持ちが大きかったのも事実です。それまでは、本当に常に義母のことを気にしていなければいけない生活だったので…。

義母が施設に入って、私たち家族は、本当に申し訳ないですけど、だいぶ楽になりました。 今年の2月に入居して、月に1回ぐらいの頻度で会いに行っています。先月会いに行った時には、顔色も良くて。やっぱり行動が制限されてしまうので、多少の不満はあるみたいなですが、外に連れ出してあげたらすごく嬉しそうでした。認知症はもう相変わらずですが、状態は悪くないと思います。 ただ、少し気になっていることもあって。今の施設は、食事の時以外は基本的に皆さん自室に戻ってしまうみたいなんです。だから、なかなかお友達も作れない、という状況らしくて。日中、時間を持て余しているのではないかな、と感じることはありますね。

施設見学は何か所か行きました。一番最初に行ったところはデイサービスが併設されている施設だったのですが、少し建物が古いかな、という印象で不安に感じました。 ですが、今、義母が入居しているハートワン霞ヶ浦は8年ぐらい前にできたみたいで、すごく綺麗だったんです。やっぱり毎日過ごす場所なので、綺麗な方がいいな、と思いましたし、それを見て、建物の古さに対する不安はなくなりました。

家にいる時は、本当に冷蔵庫を勝手に開けて、ずっとダラダラ食べちゃう、という感じだったんです。でも施設に入ってからは、食事は決まった時間にしか出ませんし、基本的に部屋への持ち込みはできないルールになっています。部屋で一人で食べて喉に詰まらせたりしたら大変なので。そういう事故がないように、食事の時間がちゃんと管理されている、というところはすごく良いなと思っています。

ここのスタッフさんはすごく良い方たちです。担当のスタッフさんがすごく明るくて、私としては喋っていて楽なんですね。「あ、こういう方に見てもらえるのが楽だな」って感じます。この間、面会に行った時にいらっしゃった看護師さんも、おそらく20代の若い方だったんですけど、その方もすごく明るくて。そういう看護師さんとか施設の方に見てもらえるっていうのは、やっぱり安心感がありますね。

基本的な決まりはあるんですけど、そのルールも絶対というわけではなくて、融通を効かせてもらえるところがすごくいいなと思いました。例えば、外出もできますし。今は日帰りだけですけど、外でお昼ご飯を食べてきたりもできます。施設にいると、どうしても行動範囲がすごく狭いので…義母は3階にいるんですけど、自由に階を移動することもできないんですね。だから、外出できる時は本当に嬉しそうです。

入居する時、義母はデイサービスに対する拒否反応が結構あったんです。決まった時間に体を動かさなきゃいけない、みたいに強制されるのが嫌かなって。それで、あえてデイサービス付きではない、自由度の高い施設を選んだんですね。 でも、今となっては逆だったかもしれないなって思っています。 自由度が高すぎて、他の入居者さんと交流する機会が食事の時くらいしかないみたいで。逆に、デイサービス付きの施設のように、決まった時間に運動したりする機会があった方が、生活にメリハリも出るし、他の人との交流も生まれて良かったのかも、と思わなくもないです。

もし改善していただけるなら、外泊ができないことは改善してほしいですね。 コロナの前は外泊ができたらしいんですけど、今は日帰りのみなんです。うちは施設から家が少し遠くて、片道1時間以上かかります。お盆に親戚が集まるのですが、外泊ができないので朝早くに家を出て義母を連れてきて、その日のうちにまた送り届けなければいけない。往復で3時間もかかってしまうんです。 そうなると、義母が家でゆっくりできる時間ってほとんどなくて。せっかく親戚も集まるのに、少し可哀想だなと。1泊だけでもいいので、外泊ができたらいいな、と本当に思います。

今回お話を伺ったのは娘様。その語り口はとても穏やかでありながら、介護をされていた当時のご苦労と、義母様を想う深い愛情がひしひしと伝わってくるものでした。「申し訳ないですけど、だいぶ楽になりました」という率直な言葉は、介護に関わる多くのご家族が抱える、偽らざる本音なのではないでしょうか。介護をプロに任せるという選択が、ご本人様の安全と、ご家族の心の平穏を取り戻すきっかけになったことが、お話の様子からよく分かりました。この度は、大変貴重な体験を共有いただき、誠にありがとうございました。