入居前はどのような状況でしたか?
父は入居の5~6年前にがんの手術を経験していて、そのあとは元気に過ごしていたんですよ。でも、年に一度の定期検診で食道がんが見つかりまして。もともと病院が嫌いな父でしたが、この検診のおかげで病気に気づくことはできたんですよね。
ただ、がんの進行がすごく早くて転移も見つかったので、年齢のことも考えると放射線とか抗がん剤とか、そういう積極的な治療は難しいという診断でした。入院中には胃ろうとか痰の吸引も必要になりましたし、足腰も弱ってリハビリは頑張ってましたけど、一人で歩くのは難しい状態だったんです。部屋の中なら歩けてた時期もあったんですけど、やっぱり足元が不安定で転んじゃうこともあって、すぐに「一人で歩いちゃダメ」ってなってしまったんですよね。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
入居する前は、私たち夫婦と父の3人で一緒に暮らしていたんです。でも、専門的な医療ケアが必要になった父を自宅で介護するっていうのは、正直、もう難しい状況でした。病院から「これ以上の治療は難しい」って告げられて、これからの暮らしをどうしようかって考えなきゃいけなくなって。
父は「家に帰りたい」って口にしていたんですけど、胃ろうや痰の吸引といった医療的なケアを自宅でするには、私たち家族の負担も大きいですし、専門的な知識もありませんでした。
それに、うちは家が古くて段差も多いですし、トイレも和式なんです。真夏でもエアコンをあまり使わないような家だったので、体調管理の面でも不安がありました。こうした状況だったので、24時間体制で専門的なケアを受けられる施設の方が父にとって安心だろうと判断して、病院のソーシャルワーカーさんに相談しました。そこで、自宅から通いやすい施設をいくつか紹介してもらって、本格的に探し始めたんです。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
一番葛藤したのは、やっぱり父の「うちに帰りたい」っていう気持ちをどうすればいいのかな、っていう点でした。本人の希望を叶えてあげたいっていう思いは強かったですし、なんとか自宅で…っていう話もあったんですよ。
でも、父の身体の状態とか、医療ケアの必要性、そして自宅の環境を冷静に考えたら、やっぱり良くないんじゃないかなって。父の気持ちを思うと本当に心苦しかったですけど、「専門の人に24時間見てもらう方が、父にとって一番安全で穏やかに過ごせるはずだ」って、最後は命の安全を最優先にしようと決断しました。そこまでむちゃくちゃ悩まずには済んだんですけどね。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
病院から2つ紹介してもらったんですけど、実際に見学に行ったのはこちらの「メディカルホーム ハート・ひがしで」だけなんです。一番うちから近かったっていうのもありますけど、行ってみたらスタッフさんの対応がすごく良くて。不安に思うようなことも特になくて、「ここなら安心してお任せできそうだな」って思えたので、もう1つのところは見ずにもう決めちゃいました。