入居前はどのような状況でしたか?
母は88歳で、当時は父と二人で暮らしていました。階段から落ちて腰の骨を折る大怪我をし、その手術をきっかけに初期の認知症の症状が出始めたんです。物事の理解が難しくなったり、知らない人に対して強い口調で接してしまったりすることが増え、担当のケアマネージャーさんに対しても怒ってしまうことがあり、家族としては「なかなか難しいな」と感じていました。
幸い、歩行は杖を使えば一人でできましたし、食事や入浴といった身の回りのことも、少し危なっかしいながらも自分でできていました。ただ、薬の数が多く、飲むのを嫌がって拒否することがあったのは心配の種でしたね。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
そんな中、一緒に暮らしていた父が亡くなり、母が一人になってしまいました。認知症の症状もありましたし、一人で生活をさせていくのは難しいと判断し、姉が中心となってケアマネージャーさんと相談しながら、施設への入居を考え始めました。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
母自身は、やはり住み慣れた自宅を離れることに抵抗があったのだと思います。入居後も「家に帰りたい」「ここが嫌だ」と口にすることがありました。
それは決して施設の皆さんのせいではなく、長年暮らした我が家への愛着からくるものだと分かってはいても、本人の気持ちを考えると、施設に入ってもらうという決断には、やはり複雑な思いがありました。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
施設の見学は主に姉が担当してくれたので、私自身は頻繁に足を運んだわけではありませんでした。半年に一度ほど顔を出していたのですが、その際に特に不安に感じるようなことはありませんでした。
ただ、入居されている方の人数に対して、スタッフさんの数は少し少ないのかな、という印象は受けましたね。皆さん、かなりギリギリの体制で一生懸命に働いてくださっているんだなと感じました。