グッドタイムホーム・鷺沼
に71歳・男性・要介護4で入居していた方の退去理由インタビュー

父の要介護度が父の要介護度が4まで上がり、いよいよ自宅での介護が厳しくなってきたことが、施設探しを始めるきっかけでした。それまでは母と同居しながら小規模多機能サービスを利用していましたが、介護する側の負担も限界に近づいていました。

施設にお願いすることに対しては、正直なところ、大きな葛藤がありました。やはり罪悪感のような気持ちは拭えません。ですが、このままでは介護する側が倒れてしまうという現実もあり、見てあげたい気持ちと、身体的な限界との間で本当に悩みました。 父本人が「自宅で過ごしたい」という気持ちが一番強いと分かっていました。でも、家族に大変な思いをさせていることを理解していたのでしょう、「施設に行きたくない」とはっきり口にすることはありませんでした。むしろ「早く出て行った方がいいんだな」と感じているような、そんな葛藤が父の様子から伝わってきて、胸が痛みました。

いくつか施設を見学しましたが、費用面での折り合いや、自宅からの通いやすさなどを重視して検討しました。他施設では「面会時間が短すぎる」といった制約が気になり、条件のバランスを見て今回のグッドタイムホーム・鷺沼に決めました。見学時の説明では、父の少し難しい性格についても「分かりました、こう接してみますね」と真摯に聞いてくださる姿勢があり、ここなら任せられると思ったんです。

入居してしばらくは、当時の施設長さんが父の性格をよく理解して対応してくれていました。父が怒ったりすることもありましたが、上手く受け流して接してくださる姿が見え、父の態度が少し軟化するような良い変化も見られました。しかし、その施設長さんがすぐに交代してしまい、そこから状況が一変してしまいました。 父は少し気難しい性格なところもあり、施設側を困らせてしまうこともあったようです。そのせいか、施設の相談員の方とのやり取りには、正直苦労しました。何か相談してもあまり親身に話を聞いてもらえず、父の言い分を伝えようとしても「それは違います」と否定されてしまう。しまいには「お父様にこんなことで困っています」という報告の連絡ばかりが来るようになり、家族としてもどうすれば良いのか分からず、追い詰められたような気持ちになってしまいました。 ただ、現場で働く介護士さんの中には、本当に優しく接してくださる方もいらっしゃいました。面会に行った際に、その方が父に話しかけているのを見かけたことがあるのですが、その口調はとても穏やかで、心からの思いやりが感じられるものでした。そうした一部のスタッフさんの存在は、私たち家族にとって大きな救いでした。 また、健康面では、月に2回、内科医の往診があったのは安心材料でした。父は肺炎をよく起こしていたので、医師が定期的に様子を見てくださっているのはありがたかったです。

一番の理由は、夜間のナースコールを切られてしまったことです。施設から「夜間帯はスタッフの人数が少ないため、頻回なコールに対応できないので切ります」と連絡がありました。父はベッドから動くことができず、何かあったときに助けを呼ぶ手段はナースコールしかありません。寂しさから頻繁に呼んでしまう父にも非があるのかもしれませんが、夜間こそ、何かあった時のために施設にお願いしているのに、その唯一の手段を絶たれてしまうというのは理不尽だと感じました。私たち家族も、お世話になっているという立場上、強く抗議することができず、ただ不安を募らせるしかありませんでした。 また、施設の相談員の方とのコミュニケーションがうまくいかなかったことも、不信感が募る要因でした。父のことで困っているという連絡は頻繁にありましたが、こちらが父の気持ちを代弁しようとしても、聞く耳を持ってもらえない。入院に至った経緯についても、いつもは事後報告だったのに、なぜか今回は事前に「検査をします」と連絡があり、その理由を尋ねてもはっきりとした説明はなく、どうも話がふわっとしていて掴みどころがないのです。大切な家族を預けているのに、何が起きているのか正確に分からないというのは、本当に不安でした。 こうした出来事が積み重なり、このまま父を預け続けることはできないと判断しました。

この施設を選んだ理由の一つに、入居前に対応してくださった施設長さんの存在がありました。父が少し気難しい性格であることを正直にお伝えしたところ、「わかりました。ではこういう感じで接してみますね」と、とても親身になって話を聞いてくださったんです。実際に父の様子を見ながら柔軟に対応してくださる姿を拝見し、「この方になら安心してお任せできる」と強く感じました。残念ながら入居後すぐに交代されてしまいましたが、あの方の存在が入居の大きな決め手になったことは間違いありません。

相談員の方とのやり取りでは辛い思いもしましたが、現場の介護士さんの中には、本当に心優しく接してくださる方が何人かいらっしゃいました。面会に行った際に、その方が父に話しかける声が聞こえてきたことがあるのですが、とても穏やかで、心からの思いやりが感じられる話し方でした。大変な業務の中で、一人ひとりにそうした温かい対応をしてくださるスタッフさんがいたことは、私たち家族にとって大きな救いでした。

面会時間が比較的自由だった点は、良かったことの一つです。朝の10時から夕方の5時までなら、こちらの都合の良い時にいつでも顔を見に行くことができました。家族が気軽に訪ねられる環境だったのは、とてもありがたかったです。

月に2回、内科医の往診があったことも、安心の一つでした。父は肺炎を繰り返していたので、専門の医師が定期的に健康状態をチェックしてくださっているというのは、心強かったです。実際に検査結果から入院が必要だと判断され、迅速に病院へつないでいただけたこともありました。医療との連携がしっかりしていた点は、評価できるポイントだと思います。

一番の想定外は、入居の決め手の一つでもあった施設長さんが、入ってすぐに別の方に交代してしまったことです。前の施設長さんは、父の少し難しい性格についても「では、こういう風に接してみますね」と親身に考えてくださり、実際に上手く対応してくださる姿を見て、ここなら安心してお任せできると感じていました。その方がいなくなってから、施設の対応が大きく変わってしまったように感じます。

まずは、入居者一人ひとりの性格や背景に寄り添った対応をしてほしいです。ナースコールを切るような極端な排除ではなく、「頻繁に呼んでしまうなら、代わりにこういう対策をしましょう」といった代替案の提示があって然るべきだと思います。また、家族との対話を拒絶せず、一方的な報告ではない双方向のコミュニケーションを望みます。

この度は、大変貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。施設への率直なご意見を伺う中で、お父様を思うお気持ちがひしひしと伝わってまいりました。良かった点も改善してほしい点も、具体的に語ってくださるご様子から、この体験を次の施設探しに活かそうとされている誠実なお人柄がうかがえました。 今回の体験談は、施設選びにおいて、入居の決め手となったスタッフが異動・退職してしまう可能性があることや、相談員の方との相性といった、見学だけでは見極めるのが難しい「人」や「組織体制」の重要性を改めて教えてくれます。このお話が、これから施設を探される方々にとって、より深く多角的な視点で検討するきっかけとなれば幸いです。