24時間体制の酸素対応が、退院の大きな支えに
この施設を選んだ一番の理由は、24時間看護師さんがいて、酸素の対応をしていただけることでした。母は肺が悪く、常に酸素のサポートが必要な状態でした。リハビリ病院からの退院条件としても、この医療体制が整っていることが必須でしたので、安心して任せられる場所が見つかったことは本当にありがたかったです。
特に印象に残っているのは、母が入居するにあたり、専門的な酸素の機械についてスタッフの皆さんが勉強会を開いてくださったことです。私たちの知らないところで、母をしっかりと受け入れるための準備を進めてくださっているその姿勢に、家族としてとても心強く感じました。
父が毎日通える、実家から徒歩10分の距離
施設選びで何より重視したのは、実家からの近さでした。もともと施設に入ることに乗り気でなかった父が、いつでも気軽に会いに行けるように、できるだけ近くの場所を探しました。見学した中にはもっと立派な施設もありましたが、最終的に実家からすぐのライフコミューン市ヶ尾に決めたのは、この「距離」が決め手でした。
実際、父はほとんど毎日のように母の元へ通っていました。コロナ禍の前だったので面会も比較的自由で、決められた時間内であればいつでも顔を見に行くことができました。時には父が母の部屋に携帯電話を忘れてしまい、時間外にお邪魔することもあったようですが、嫌な顔一つせず対応してくださったと聞いています。父の気持ちに寄り添える環境だったことが、本当に良かったです。
こじんまりとして家庭的な、温かい雰囲気
建物自体は少し古かったのですが、施設内はこじんまりとしていて、とてもアットホームな雰囲気でした。母がいたのは認知症のない方たちが過ごす棟だったので、皆さんで食堂に集まっておしゃべりをしたり、テレビで相撲を見ながら一緒に応援したりと、和やかに過ごしていたようです。
入居者さんの中にリーダー的な方がいて、食後に歌の会を開いてくださることもあったと聞きました。母もそうした交流を楽しんでいる様子で、孤独を感じることなく過ごせたのではないかと思います。大規模で綺麗な施設も魅力的ですが、こうした家庭的な温かさは、母にとって心地よかったのだろうと感じています。
暮らしの自由度が高く、個人の希望を尊重してくれた
規則が厳しすぎず、比較的自由に過ごさせてもらえたことも良かった点です。例えば、食事の際にふりかけや佃煮などを差し入れたいと相談したところ、快く受け入れてくださいました。母が「このふりかけが美味しいと、他の入居者さんにも評判だったの」と嬉しそうに話してくれたことがあり、それがきっかけで会話が弾むこともあったようです。
小さなことかもしれませんが、自宅で暮らしていた時と同じようなささやかな楽しみを続けられたことは、母の心の張りになっていたと思います。一人ひとりの生活や希望を尊重してくれる、そんな柔軟な姿勢がありがたかったです。