入居前はどのような状況でしたか?
義母は80代で、要支援の認定を受けていました。当時入居していた施設に移る前は、デイサービスなども嫌がってなかなか利用してくれませんでした。施設に入ってからも、自分の家に帰りたいという気持ちが強かったのだと思います。これまでに入居した施設から6回も逃げ出してしまったことがありました。
鍵を自分で開けたり、職員の方が鍵をかけ忘れた自転車に乗って行ってしまったり…。そのうち3回は警察沙汰にもなり、家に逃げ帰って鍵をかけて閉じこもってしまうこともありました。その度に職員の方が連れ戻しに来てくださるのですが、そんな義母の姿を見ていると、本当に可哀想なことをしているなと、胸が痛みました。身体はまだ元気で、自力で歩くことができたからこその行動だったのだと思います。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
本格的に新しい施設を探し始めたのは、当時お世話になっていた施設から「もうここでは預かれません」と告げられたのがきっかけでした。義母が入院することになり、その際に尿道カテーテル(バルーン)を装着することになったのです。以前の施設では、そうした医療的なケアを行う体制が整っていなかったため、退院後の受け入れが難しいと言われてしまいました。
突然のことで、本当に慌てて次の施設を探し始めました。とにかく、バルーンを付けていても受け入れてくれる、医療対応がしっかりした施設でなければならなかったのです。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
施設に入居してもらうこと自体、ずっと心苦しい思いがありました。特に、義母が施設から逃げ出しては家に帰ろうとする姿を目の当たりにするたびに、「本当にかわいそうなことをしてしまった」という罪悪感に苛まれました。
本人が一番望んでいるのは、住み慣れた自宅での生活なのだと分かってはいても、私たち家族だけでは安全な生活を支えることが難しい状況でした。施設にお願いするしかないという現実と、義母の気持ちとの間で、常に葛藤していたように思います。