認知症のある母を受け入れるスタッフの覚悟
実際、入居してからも、母の徘徊はありました。夜中に外へ出てしまったこともあります。でも、その時の施設の対応が本当に素晴らしかったんです。
母は施設の近所まで歩いて行ってしまったのですが、たまたま通りかかった通行人の方に保護して頂きました。そのとき持ち歩いていた携帯電話で施設に連絡が来て、なんとか戻ることが出来ました。
そして後日、徘徊の原因が玄関ドアの鍵の開け方を覚えてしまったことだとわかると、すぐに自転車のチェーンロックのようなものを設置し、扉の仕組みを工夫して二重ロックをしてくださいました。
状況が落ち着いた頃、施設長さんと直接お会いした時に「先日は本当に申し訳ありませんでした」と頭を下げてくださったのには、心底感動しました。
今では、母も職員さんとの関係性を築けているようで、以前は言わなかった「職員さん」という言葉を自分から口にするようになりました。母の表情を見ても、職員さんたちが一人ひとり温かく接してくださっていることが伝わり、私も安心して過ごせています。
職員さんたちが、母を一個人として、きちんと向き合ってくださっているのが伝わります。認知症だと、どうしても行動が読めなかったり、周りを困らせてしまうことも多いのですが、それを「病気」としてではなく「個性」として受け止め、専門的な対応をしてくださる姿勢が、私にとって何よりも心強いです。
入居者だけでなく家族にも向けられる温かいホスピタリティ
母の様子だけでなく、私の行動にも細やかな心遣いをしていただけます。雨の日に、私が母を連れてバス停まで歩こうとしていたら、「ちょっと待って、車に乗って行こう」と駅まで送ってくださったことがありました。
また、ある時、母の足に合わない靴を履かせてしまっていたら、「外反母趾が強くなって痛そうだから、介護シューズを買ってあげられませんか」と提案してくれ、すぐに介護シューズを用意しました。
そのお礼に、と施設の方に食事用エプロンを職員の皆さんで使ってくださいと渡したら、すぐに使ってくれたという温かいやり取りもありました。家族も含めて、人の繋がりを大切にしてくださる雰囲気があります。
介護のプロとして利用者一人ひとりに寄り添う姿勢
職員さんたちが、母を一個人として、きちんと向き合ってくださっているのが伝わります。母のことで、ちょっとしたエピソードを職員さんと共有できるのも、アットホームな雰囲気だからこそだと思います。
私の不安や心配に寄り添い、母の現状をしっかり伝えてくれるので、私も「母を預けている」というよりも、「一緒に母の生活をサポートしている」という感覚でいられます。