プライバシーが守られる「個室」という選択肢
やはり一番は、母のプライベートな空間を確保できたことです。施設を探し始めた当初に見た相部屋の光景が衝撃的で、「これでは母が可哀想だ」と強く感じました。
長年、自分のペースで生活してきた母にとって、いきなり他の方との共同生活を強いるのは酷な話です。その点、この施設は個室という選択肢があったおかげで、入居へのハードルがぐっと下がりました。見学時に部屋の清潔さや、クローゼット、前の入居者の方が残してくださったタンスといった設備面を確認できたことも、安心材料になりました。施設での生活とはいえ、一人の人間としての尊厳や、これまでの暮らし方を尊重してくれる姿勢が感じられたことが、本当に良かったです。
孤独を感じさせない、日中の賑やかな時間
入居後の母の最も大きな変化は、表情が明るくなり、元気になったことです。その理由は、施設での日中の過ごし方にあると感じています。毎日歌を歌ったり、食堂で他の入居者さんとおしゃべりをしたりと、一人で塞ぎ込む時間がないようです。
私自身、見学の際に皆さんが楽しそうに過ごしている様子を拝見し、「ここなら母も寂しくないだろう」と感じました。母が「お菓子を持ってきて」と頼んだのも、結局はスタッフさんや周りの方との交流のためでした。孤独を感じさせない工夫と、自然なコミュニケーションが生まれる環境が、母の心身の健康に繋がっているのだと実感しています。
スタッフの方との安心できるコミュニケーション
最近、コロナの規制が緩和され、面会の方法も変わりました。以前は玄関先で荷物を渡すだけだったのですが、この間からは部屋まで入って、ゆっくりと母と話せるようになったんです。その時に、施設のヘルパーさんが母の様子を教えてくれました。「お母さん、とてもしっかりされていますよ」という何気ない一言でしたが、直接様子を聞けるのは本当に嬉しいことです。スタッフの皆さんが、普段から母のことを気にかけてくれているのが伝わってきて、安心してお任せできると感じています。
転倒時の連絡など、少し気になった点もありましたが、こうした日々のコミュニケーションを通じて、信頼関係を築いていければと思っています。