入居前はどのような状況でしたか?
母が85、6歳の頃でした。それまでは高齢者向けのマンションで暮らしていたのですが、だんだんと身の回りのことを自分一人でやるのが難しくなってきたんです。歩くことにもおぼつかなさが見え始め、杖を使うようになっていました。
入居当時は要介護1の認定で、まだ公的に認知症と診断されてはいませんでしたが、私たち家族から見ると少しずつその兆候が見え始めているかな、という状況でした。継続的に必要な医療ケアはありませんでしたが、時々腰が痛いと言うこともあり、一人での生活に限界が近づいているのを感じていました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
施設探しを考え始めた直接のきっかけは、近くに住む姉の一言でした。高齢者向けマンションでの母の暮らしぶりを見て、「自分でやらなきゃいけないことがちゃんとできなくなっている。このままでは危ない」と。その言葉を聞いて、私たち姉弟は本格的に施設への入居を検討し始めました。母の安全を第一に考えた上での決断でした。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
正直に言うと、入居を決めたのは私と姉で、母の意見をじっくり聞いたわけではありませんでした。言葉は悪いですが、本人が不満だったとしても「文句を言わずに」と、半ば強引に話を進めてしまったところがあります。「押し込んじゃった」という表現が一番しっくりくるかもしれません。
もちろん母の安全を思ってのことでしたが、本人の気持ちを考えると、これで良かったのかという葛藤や、申し訳ない気持ちがなかったわけではありません。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学させていただいたのですが、特に不安に感じた点や気になることはありませんでした。施設は一つしか見ていませんが、その場ですぐにこちらでお世話になろうと決めることができたと記憶しています。