入居前はどのような状況でしたか?
義母は入居当時82歳くらいだったと思います。76歳の時に大腿骨を骨折してからは杖を使うようになり、一人暮らしが難しくなったため、私たちの家で一緒に暮らすことになりました。要介護度は4の認定を受けていましたが、年相応の物忘れはあっても認知症というわけではなく、息子である夫や私との会話もきちんと成り立っていました。
義母は本当に良い人で、私のことも名前で呼んでくれるような良好な関係でした。ですが、やはり「姑」と「嫁」。良い関係だからこそお互いに遠慮があって、だんだんと私がギブアップしてしまった、というのが正直なところです。一緒に暮らすことの難しさを痛感していました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
施設探しを本格的に考え始めたのは、同居していた年の夏のことです。暑さのせいか義母が痩せてしまい、食事がなかなか進まなくなってしまったのがきっかけでした。私が作ったものがお口に合わないのかな、と思ったりもしました。このままでは、義母も「嫁が作ってくれたから食べなければ」と気を遣ってしまいますし、私の方も食べてもらえないことでストレスを感じてしまう。お互いにとって良くない状況だと感じ、「きちんと管理された食事を提供してもらえる施設に入った方が、本人にとっても良いのではないか」と考えるようになりました。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
施設入居の話を進めるにあたって、一番心配だったのは夫の気持ちでした。一人息子ですから、母親を施設に入れることには抵抗があるだろうと思っていましたし、「もしお母さんが嫌だと言ったらどうしよう」と、とても悩んでいました。私自身も、良いお姑さんだっただけに、同居生活を続けられなかったことに少し申し訳ない気持ちがありました。
ところが、いざ義母に施設の話をしてみると、驚くほどすんなりと「入る」と言ってくれたんです。全く嫌がる素振りがなかったので、夫も私も拍子抜けしたと同時に、心の底からほっとしました。今思えば、義母も義母なりに、私たちとの同居に気を遣っていたのかもしれません。「よっぽど私と暮らすのが嫌だったのね」なんて、当時は冗談で思ったほどです。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学の際に少し気になったのは、建物の造りでした。もともと企業の独身寮だった建物を改装した施設だったようで、1階にコンビニなどのお店が入り、2階が受付と食堂、3階と4階が居住スペースという少し変わった構造でした。特に、居住階から食堂へ降りるための階段が心配でした。義母は杖を使っていましたし、万が一にも転んだり滑り落ちたりするのが一番怖かったからです。端の方に後付けされたエレベーターはあったのですが、そこまでの移動も必要ですし、ご高齢の方には少し大変な造りではないかと感じました。