入居前はどのような状況でしたか?
父はもともと、実家でずっと一人暮らしをしていました。母を早くに亡くしてから、かれこれ20年以上、60代の頃からずっと自炊をしながら生活していたんです。
当時は既に80代後半でしたが、とても元気な父で、毎朝の散歩を日課にしていました。
でも、少しずつ物忘れというか、ボケが始まったような感じが見受けられるようになりまして。実家で一人のままにしておくのは、やはり家族として心配が出てきたという状況でした。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
やはり一番の理由は、父に何かあったときにすぐ駆けつけられるようにしたい、という思いでした。私の家からできるだけ近いところで探そうと考えたのがきっかけです。
ネットを使って自分で4軒ほど候補を絞り込み、実際にアポを取って父と一緒に見学に行きました。
父にとっては長年住み慣れた家を離れることになりますから、本人が納得できる場所を見つけてあげたいという一心でした。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
やはり、本人の気持ちが揺れ動くところには苦労しましたね。最初は、じゃあそうしようか、とすんなり納得してくれていたんです。
でも、途中でやっぱりちょっと嫌だなあと言い出したりして。それが認知症の影響だったのか、あるいは環境が変わることへの抵抗だったのかはわかりませんが、右往左往するような場面は確かにありました。
最終的に決断の決め手になったのは、この施設が私と妹、つまり父から見た二人の子供の家の中間地点にあったことです。実の子供たちの近くに引っ越してくる方が、これから先も安心じゃないの、と話したことが、本人にとって入居を受け入れる一番の動機になったのかなと感じています。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学の時に特に不安はなく、とてもこぢんまりした雰囲気でした。また、当時の施設の責任者の方が、非常に丁寧で親切だったんです。
予算とか諸々の条件もありましたけど、本人が「ここが一番良いね」と言っていましたし、たまたま一部屋空いていたこともあって、入居を決めました。