父が心を開いた、職員の皆様の温かい対応
一番の理由は、何と言っても職員の方々の存在です。面会に行くたびに、父が職員の方々と親しく話している姿を目にします。「みんな優しいんだ」という父の言葉は、本心からのものでしょう。
私たち家族に対しても、何か質問すればどんなことでも丁寧に教えてくれますし、その対応から「信頼できるな」という安心感が生まれています。父が「ここを出たくない」と言うほどの居場所になっているのは、日々接してくださる職員の方々のおかげに他なりません。介護は人と人との関わりなのだと、改めて感じています。
離れていても安心できる、定期的な「手紙」での報告
私は仕事で忙しく、頻繁に面会に行けるわけではありません。そんな中で、大きな安心材料となっているのが、施設から定期的に郵送されてくる書面での報告です。いわゆる「お手紙」のような形で、父が施設でどのように過ごしているのか、日々の様子を伝えてくれます。
「こちらから『最近どうですか?』と聞かなくても、向こうから積極的に情報を発信してくれる」。この姿勢が、私たち家族の不安を大きく和らげてくれています。こまめに連絡をいただけることで、離れていても父の生活が目に浮かぶようで、信頼関係がより一層深まっていると感じます。
費用よりも優先した、本人が「満足している」という事実
最終的な決め手は、やはり父自身の満足度でした。先ほども触れましたが、特養への転居も現実的な選択肢として考えました。しかし、仮に月々の費用が2〜3万円安くなったとしても、父が今感じている安心感や満足感を失ってまで選ぶべき道ではない、と判断しました。
見学や手続きに費やす私の時間と労力、そして何より、父が新しい環境に馴染めなかった時の精神的な負担。それらを天秤にかけた時、答えは明らかでした。「本人が満足している今の環境を維持すること」が、私たち家族にとって最善の選択だったのです。この施設は、費用という物差しだけでは測れない価値を提供してくれているのだと、心から感謝しています。