入居前はどのような状況でしたか?
妻が入居したのは、73歳の時でした。要介護認定は2を受けていました。その1年ほど前から認知症の症状が出始めており、入居前は自宅で私が介護をしていました。
特に大変だったのは、徘徊と妄想です。ある時、「東京駅に行く」と言って出かけたまま、新宿駅で道がわからなくなってしまったことがありました。その時は息子と娘がスマートフォンのGPSを頼りに車で探し回り、なんとか見つけ出すことができましたが、本当に肝を冷やしました。
他にも、近くの交差点まで孫を迎えに行こうとしたり、一度は「雨戸に男がぶら下がって家に這い入ろうとしている」と警察に通報してパトカーが来てしまったり。鍵を開けて外に出て行ってしまおうとすることもありました。
だんだんと私の言うことも聞かなくなり、たまにですが、下の失敗もするようになってきて…。正直なところ、私自身の心身の負担も大きく、「もう自宅で介護を続けるのは難しいな」と感じていました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
施設探しを本格的に考え始めたのは、やはり妻の徘徊がきっかけでした。新宿駅で迷子になった一件以来、いつまた同じようなことが起こるかわからないという不安が常にありました。このままでは、妻の安全を守りきれないかもしれない。そう思い、地域のケアマネージャーさんに相談に行ったんです。
そこでいくつかの施設を紹介していただき、その中に「エスケホーム」さんがありました。他にも練馬区内の「翔裕園」さんなど、2、3ヶ所を見学しましたね。
探し始めたのが1月頃で、3月にはもうエスケホームさんにお願いしようと決めていました。見学時のスタッフさんの雰囲気がとても明るく、ここなら妻を任せられるかもしれない、と感じたのが決め手でした。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
妻を施設に入れることについて、世間では罪悪感を感じるという話も聞きますが、私の場合は少し違いました。もちろん寂しさはありましたが、それ以上に「これで少し自分の負担が減る」という安堵感の方が大きかったのが正直な気持ちです。
日々の介護で心身ともに疲れ切っていたので、専門家の方々に見ていただける環境に移ることは、妻にとっても私にとっても必要なことだと考えていました。ですから、大きな葛藤や罪悪感というよりは、一つの区切りとして前向きに捉えていたように思います。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学の際に、特に不安を感じることはありませんでした。むしろ、施設に入りさえすれば私の負担が減るという期待感の方が大きかったくらいです。スタッフの方々の対応も明るく、施設の雰囲気も良かったので、ここなら大丈夫だろうという安心感がありました。