家族の不安に寄り添う、温かく迅速な対応
この施設に決めた一番の理由は、スタッフの方々の温かい対応でした。父が精神的に不安定になり、一刻も早く安全な場所を確保しなければならなかった時、地域包括支援センターからの紹介で「空きがありますよ」と緊急で受け入れてくださったのが、この施設でした。当時の施設長さんは、私たちの切羽詰まった状況を深く理解し、「大丈夫ですよ」と優しく受け止めてくださいました。その一言がどれほど心強かったか分かりません。
その後、他の施設も見て回りましたが、最終的にここに決めたのは、入居者本人だけでなく、支える家族の不安な気持ちにまで寄り添ってくれる姿勢を感じたからです。介護が初めてで戸惑う私に、「こういう時はこうすると良いですよ」と具体的なアドバイスをくださったり、面会に行くたびに父の様子を細かく伝えてくださったり。その一つひとつが、私たちの大きな支えになりました。
個人の「生きがい」を諦めずに支える姿勢
父は昔から囲碁が大好きで、施設に入る直前まで毎日碁会所に通っていました。入居してからは、施設内でも誰か打てる人がいればと願っていましたが、いらっしゃいませんでした。ある時、施設の方が「囲碁のボランティアさんを探しましょうか」と提案してくださったのです。そして本当に、月に一度来てくださるボランティアの方を見つけてきてくれました。さらには、施設に碁盤まで用意してくださったんです。
今では月一回の囲碁の時間が、父にとって何よりの楽しみであり、生きる活力になっています。もちろん体調によってはできないこともありますが、それでも「次の囲碁の日」があるということが、父の毎日に張りを与えてくれているのは間違いありません。
季節感や個人の好みを大切にする、温かい食事とイベント
こちらの施設は中に厨房があり、バランスの取れた温かい食事を3食出してくださいます。父も「食事は美味しい」と言っていますし、季節に合わせた行事食も楽しみの一つです。お雛様の時にはちらし寿司が出たり、誕生月にはケーキバイキングがあったり。
また、お誕生日会もしっかりお祝いしてくださって、写真を撮って掲示してくださるのも嬉しいですね。父は耳が聞こえないので、カラオケなどのイベントには参加できないのですが、スタッフさんは「その場にいるだけでも雰囲気が違いますから」と、疎外感を感じさせないよう根気強くお声をかけてくださいます。また、日常のコミュニケーションでは、常にホワイトボードを使い、筆談で丁寧に話しかけてくれます。そういった「できないから諦める」のではなく、その人なりに楽しませようとしてくれる姿勢が本当にありがたいです。
日々の健康管理と、家族の心を軽くする連絡の作法
高齢ですから、日々の健康状態は常に気がかりです。その点、週に一度お医者様が往診に来てくださり、日中も看護師さんが常駐してくれているので、安心して任せることができます。先日も、父の背中にできものができた際にすぐにお電話をいただきました。「お薬を処方してもらってもよろしいでしょうか」と、きちんとこちらの意向を確認してくださいます。
特に感心するのは、お電話をくださる際の心遣いです。施設から電話がかかってくると、どうしても「何かあったのでは」と心臓がドキッとしてしまうのですが、ここのスタッフさんは必ず「急なご要件ではありませんので、ご安心ください」と第一声で伝えてくださるのです。この一言があるだけで、こちらの気持ちは全く違います。ささいなことかもしれませんが、常に家族の気持ちを想像して行動してくださっているのだなと、感謝の気持ちでいっぱいになります。
面会については、いつでも時間がある時に伺えるようになっています。暖かい日には、車椅子を押して近所をちょっとお散歩したり、ドライブに出たりもしています。施設にお願いすれば有料でやっていただくこともできますが、週に1回は施設に行ってるので家族の付き添いで外出しています。
最期の看取りまで、家族の意向を尊重してくれる安心感
将来的なことですが、「最期の看取りまでします」と言ってくださっているのが心強いです。高齢なので、もしもの時に病院の手配で走り回るのではなく、ロウソクの火が消えるようにここで送ってあげたいと考えています。
もちろん医療行為には限界があり、延命を希望するなら転院が必要といった説明も、最初から包み隠さずカウンセリングしてくれました。できないことはしっかり伝えた上で、相談に乗ってくれるケアマネジャーさんや看護師さんがいることが、私たちの心の支えになっています。























