リリィパワーズレジデンス三鷹北野【けやき館】
に79歳・男性・要介護2で入居中の方へのインタビュー

もともと関西で両親は暮らしていましたが、3年ほど前に母が急に体調を崩して亡くなってしまい、父が一人になりました。母から、父に認知症の気があるとは聞いていましたが、実際に父が一人になってみると、私が聞いていた以上に症状がひどく、とても一人で生活できる状況ではありませんでした。 そこで、東京にある私の家に父を連れてきて、半年くらいは家で面倒を見ていました。

しかし、私も仕事を休んで対応するなど、だんだんと大変になってきて、「自分がもう限界が近いかもな」と感じるようになり、施設を探し始めました。ケアマネージャーさんに相談したところ、「すぐ見に行きましょう」と言ってくださり、探し始めてから1ヶ月もしないうちに、今の施設に決まりました。

施設への入居を決めた時、世間で言われるような葛藤はあまりなく、正直に言うと「ほっとした」という気持ちの方が大きかったです。 ただ、父自身は「一人で生活できる」と言い張っていて、毎日「自分の家に帰りたい、帰りたい」と繰り返していたので、それを聞くのは結構きつかったですね。

父の様子ですが、今でも時折「帰りたいな」と言うことはあるようです。しかし、それで行動に移すことはなく、穏やかに過ごしています。普段は自室でゆっくり過ごす時間を持ちつつ、食事の際は食堂へ行き、施設の催し物にも顔を出していると聞いています。スタッフの方々からも「本当に手がかからないですよ」と伺っており、落ち着いた毎日を送れているようです。 実は、以前に母が入院した際、父が老健に入ったことがあったのですが、その時は暴れたり、施設から出ていこうとしたりと、すごく大変だったと聞いていました。なので今回も心配していましたが、今の施設では何の問題もなく過ごせているので、父本人にとっても良かったなと思っています。 私自身の心境としては、もちろん施設のお金は必要ですが、それは父の蓄えで対応できていますし、何より介護のプロにお任せできたことで、本当に安心しました。

一番良かったのは、サービスが手厚い点です。サービス付き高齢者向け住宅なので、ある程度自立した方向けかと思っていましたが、ここは違いました。 週に2回は施設からデイサービスに通えますし、部屋にはヘルパーさんが来てくれて洗濯など身の回りのことを手伝ってくれます。薬を飲むのもきちんと見てくれます。さらに、病院の先生や看護師さんが定期的に往診に来てくれるので、わざわざ病院に行かなくても必要な薬をもらえます。父の健康状態をしっかり見てもらえるのは、本当に安心です。

ここは「施設」というより、一人ひとりの「住まい」という感覚が強いです。個室なのでプライベートが保たれており、父も自分の部屋で自由に過ごしています。 認知症でなければ外出も自由にできるそうですし、私たちの面会も「何時じゃないとダメ」といった決まりは一切ありません。父の家に訪ねていくような感覚で、いつでも顔を出すことができます。この自由な雰囲気が、父にとっても合っていたのだと思います。

施設との連絡が、LINEで来るようになったのも非常にありがたいです。以前はメールだったのですが、最近システムが変わりました。 「洋服が足りない」といった必要な連絡がLINEで来るので、仕事をしている私にとっては本当に便利です。電話だと仕事中だと出られないことも多いですし、LINEなら時間のある時に確認して返信できるので、とても助かっています。

良い意味で想定外だったのは、サービス付き高齢者向け住宅でありながら、サポートがとても手厚いことです。まさしく至れり尽くせりな環境で、「こういうところがあるんだな」と感心しました。

特に大きな不満はないのですが、職員の方が皆さん忙しそうだな、と感じることはあります。一度、夜に必要なものを持って行った時、インターホンを鳴らしても、職員の方が皆さん食事の対応か何かで忙しかったようで、誰も出てきてくれないということがありました。

今回お話を伺った娘様は、在宅介護で経験されたご苦労と、お父様が施設に入居された際の「正直、ほっとした」という率直な気持ちを語ってくださいました。その言葉からは、ご自身が限界まで頑張っていらっしゃった様子がうかがえます。 お父様が新しい環境で穏やかに過ごされていること、そして何より娘様ご自身が安心感を得られていることに、介護は一人で抱え込まず、適切なサポートを求めることの重要性を改めて感じました。