入居前はどのような状況でしたか?
母は入居当時88歳で、一人で暮らしていました。要介護認定は受けていましたが、歩行は普通にできていました。ただ、年相応の物忘れがあり、だんだんと食事の準備を自分でするのが難しくなってきていました。以前、デイサービスに通っていた時期もあったのですが、本人が嫌がるようになってしまいました。
その後は訪問介護の方にお世話になっていましたが、私自身は2〜3ヶ月に一度顔を見に行く程度でしたので、このまま一人で大丈夫だろうかという心配は常にありました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
本格的に施設探しを考え始めたのは、母が食事の準備だけでなく、病院へ一人で行くことにも不自由を感じるようになったのがきっかけです。このままではいけないと、日頃からお世話になっていた訪問介護の担当の方に相談したところ、「施設を探しましょうか」という話になりました。それが2016年の春頃のことです。そこから何軒か見学し、母に合う施設を一緒に探して、比較的すぐに入居を決めました。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
初めて母を施設に預けるということで、正直なところ、大きな不安がありました。何よりも、母自身がその決断を納得してくれるかどうかが一番の心配でしたね。おそらく本人は、施設に入って暮らすということは考えてもいなかったと思います。ですから、「一人で暮らすのはもう大変だから、施設へ行こうね」と話をして、一緒に見学に連れて行きました。長年住み慣れた家を離れる母の気持ちを考えると、本当にこれで良いのだろうかという葛藤がありました。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
施設を見学した際に、建物や設備、スタッフの方々の様子を見て、特に不安に感じる点はありませんでした。むしろ、スタッフの皆さんはとても親切で丁寧な印象を受け、私としては安心して任せられそうだと感じました。
ただ、一番の懸念は、やはり母が新しい環境に馴染めるかどうか、という点に尽きましたね。施設そのものへの不安というよりは、環境が大きく変わることに対する母の心の負担が、何より心配でした。