入居後の変化
施設に入ってからも、母はなかなか馴染めなかったみたいなんです。入居してからは、私が顔を見せにいくたびに「連れて帰ってくれ」と涙ながらに訴えるようになってしまって。老健に入っていた時から「帰りたい、帰りたい」とは言っていたんですが、施設に入ってからもその気持ちは変わらなかったんですね。 施設の方からは、母が普段から「帰りたい」と言っているという話は特に聞いていませんでした。でも、私たちが顔を見せにいくと、その気持ちがより一層強くなるようでしたね。 日中はレクリエーションのようなものがあまりなくて、基本的にお部屋で過ごすことが多かったみたいで、「一日終わったらもう寂しい」「退屈する」とよく言っていました。散歩のようなことや、本人がやりたいことも「危ないから」と制限されることがあったようです。食事は他の入居者さんと一緒に大部屋でとっていたようですが、母は認知症の症状も進んでいたので、なかなか周りの方と積極的に交流するという感じではなかったのかもしれません。
私も、面会に行くたびに母が泣いて「帰りたい」と言う姿を見るのは、やっぱり心苦しかったですね。「かわいそうだなあ」という気持ちがどんどん募っていきました。