入居前はどのような状況でしたか?
父は85歳で、要介護3の認定を受けていました。当時は自宅で一人暮らしをしており、デイサービスには通っていたものの、認知症の症状が見られるようになっていました。気力がなくなったり、同じことを何度も言ったり、話したことをすぐに忘れてしまったり。それに、たまに足元がふらつくこともあり、一人でいることに少しずつ不安を感じ始めていました。
私自身は、週に1、2回父の様子を見に通っていましたが、常にそばにいることはできません。前立腺がんの治療を終え、経過観察中ということもあり、何かあったときにすぐに対応できないことへの心配が常にありました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
本格的に施設探しを考え始めたのは、入居する年の夏頃からです。デイサービスに通っている間は、他の利用者さんと交流したり、食事の準備を手伝ったりと、それなりに活動的に過ごしていたようです。しかし、それ以外の時間は一人です。だんだんと認知症の症状が進み、身体のふらつきも見られるようになった父を、このまま一人にしておくのは限界が近いのではないかと感じ、具体的な施設探しへと踏み切りました。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
父を施設に入れるという決断には、やはり罪悪感のようなものがありました。入居後、環境の変化のせいか父が元気をなくしていく様子を目の当たりにすると、その気持ちはより強くなりました。レクリエーションにも参加せず、部屋にこもりがちだという話を聞くたびに、「自分のした選択は本当に正しかったのだろうか」「もう少し自分で見ることができたのではないか」という思いが頭をよぎります。
安心してお任せできる環境を手に入れた一方で、父から笑顔が減ってしまったことへの申し訳なさは、今も感じています。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学に訪れたとき、施設がとても大きいことに少し圧倒されました。これだけたくさんの入居者さんがいる中で、一人ひとりにきちんと目が届くのだろうか、というのが一番の不安でしたね。