入居前はどのような状況でしたか?
母が85、6歳の頃でした。父が特養に入所してからは一人で暮らしていましたが、6、7年が経つ頃には腎臓の機能がだんだんと落ちてきており、体調もあまり良くない日が増えていました。当時はまだ透析はしていませんでしたが、いつどうなるか分からない状況で、一人暮らしをさせておくのはとても危険だと感じていました。
性格は昔からわがままで、口を開けば文句ばかり。認知症というわけではないのですが、とにかく自分の思い通りにならないと気が済まない人でした。私はフルタイムで月曜日から土曜日まで仕事をしており、限られた時間の中で母の対応や施設探しに奔走する日々に、心身ともに疲れ果てていました。正直なところ、「とにかく早く施設に入ってほしい」という気持ちでいっぱいでした。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
母の一人暮らしに限界を感じ、私と妹で「施設に入ってはどうか」と勧めてはいたものの、なかなか本人が首を縦に振りませんでした。最終的には、定期的に通院していた病院のソーシャルワーカーさんからも「一人暮らしは危険です」と助言をいただいたことが大きなきっかけとなりました。
病院側とも連携しながら本格的に施設探しを始め、まず別の施設にお世話になりました。しかし、入居して2ヶ月ほど経った頃、母が「もっと桜の近くがいい」と言い出し、本人の希望を汲んでこちらの施設へ転居することになったのです。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
入居を決めること自体に罪悪感はありませんでした。むしろ、母の性格を考えると、専門の方にお任せする方がお互いのためだと思っていました。ただ、一番大変だったのは母を納得させるプロセスです。
本人が納得しないと、施設探しは本当に前に進みません。こちらが良かれと思って提案しても、本人は不満ばかり。そのやり取りは、本当に命を削るような作業でした。施設探しをされているご家族の中には、同じように大変な思いをされている方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。