入居前はどのような状況でしたか?
もともと私と同居していた母は、パーキンソン病を患っていました。ある時、薬を変えた影響で体調が悪化してしまい、入院することになったんです。入院中に骨折も見つかり、リハビリ病院へ転院しました。
リハビリ病院にもいられる期間には限りがあります。退院が近づくにつれ、母は「あなたが仕事に行っている間、一人で家にいるのは不安だ」と、施設への入居を希望するようになりました。これが、私たちが本格的に施設探しを始めたきっかけです。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
実は、この施設に入る前にも別の有料老人ホームに入居していたのですが、「手が掛かる」という理由で退去を求められてしまったのです。そのため、急いで次の施設を探さなければならない、という切羽詰まった状況でした。
母が「これまで通っていたデイサービスには、これからも通い続けたい」と希望していたため、そのデイサービスに通える範囲内で探したのですが、選択肢はもう、この施設しか残されていませんでした。ちょうどコロナ禍の真っ只中だったこともあり、十分な見学もできないまま、入居を決めざるを得なかったというのが正直なところです。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
私個人の気持ちとしては、母を自宅に連れて帰りたかったんです。でも、弟は施設に預けるべきだと主張し、何より母自身が施設での生活を望んでいました。家族の意見が分かれる中で、選択肢が一つしかないという状況で決断しなければならなかったのは、とても心苦しかったです。
結果的に、あんなところに入れてしまったばかりに…という後悔の念が、今でも強く残っています。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
コロナ禍ということもあり、入居前にきちんと施設の中を見学することができませんでした。引っ越しの荷物を運び入れた時が、実質初めて中を見たようなものでした。
その時の第一印象は、「ここは大丈夫だろうか…」という強い不安でした。受付に人がいるのかいないのかもわからず、閑散としていて…。ゴミ捨て場の場所を尋ねようにも、声をかけた相手が施設の職員さんなのか、他の入居者さんなのかさえ判別がつかないような状況でした。
初日から人の気配が感じられず、「もし何かあった時、本当に大丈夫なのだろうか」という不安が頭をよぎったのを覚えています。