入居前はどのような状況でしたか?
母は94歳で、当時は要介護3の認定を受けていました。長年、自宅で一人暮らしをしていましたが、認知症の症状があり、特に短期記憶は5分もすれば忘れてしまうような状態でした。幸い、歩行は自立していましたが、糖尿病と高血圧という持病に加え、肺に水が溜まる肺塞栓の疑いも出てきて、医療的なケアの必要性を感じ始めていました。
一人暮らしということもあり、日中はデイサービスなどを利用していましたが、夜間に何かあったらどうしよう、という不安は常にありました。私や姉も頻繁に顔を出してはいましたが、24時間付き添えるわけではありません。フォローしきれない部分があることへの心配が、日に日に大きくなっていました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
本格的に施設探しを始めたのは、入居する3〜4ヶ月ほど前のことです。もともとは住み慣れた地元でグループホームを探していたのですが、どこも待機状態で、すぐに入れる状況ではありませんでした。
次に、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)も検討し、同じニチイさんの別の施設を見学しました。そこは非常に雰囲気が良かったのですが、医療体制が比較的お元気な方向けで、24時間看護師がいるわけではありませんでした。今後の母の状態を考えると、医療面でのサポートが少し物足りないと感じ、他の選択肢を探すことにしました。そうして、より手厚いケアが期待できる現在の施設にたどり着きました。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
正直なところ、最初は母を施設に入れるということに対して、強い後ろめたさを感じていました。「施設に入れる」という言葉には、どこかネガティブな響きが伴いますし、家族としてその決断をすることに葛藤がありました。
しかし、この施設を見学し、入居を決めてからは、その気持ちが大きく変わりました。ここは「施設」というより「新しい住まい」という感覚に近く、私たち家族も、そしておそらく母本人も、「新しい場所に引っ越した」と前向きに捉えることができたように思います。あの時の罪悪感は、今では母の安全と健康を守れているという大きな安心感に変わっています。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学した際、施設自体に大きな不安はありませんでした。ただ一つ気になったのは、以前検討していたグループホームに比べて居室数が多く、フロアが広いことでした。認知症の母が、食堂などから自分の部屋まで一人で迷わずに戻れるだろうか、という点だけが少し心配でした。