入居前はどのような状況でしたか?
義理の母は、入居した時86歳でした。その年の7月に脳出血で倒れるまでは、一人暮らしで元気に過ごしていたんです。本当にピンピンしていました。それが、急に倒れてからは寝たきりの状態になってしまって…。言葉を発するのも難しくなり、意思の疎通がほとんどできなくなってしまいました。認知症というわけではなく、話したくても話せない、という感じでしたね。介護度は要介護5で、食事も胃ろうから摂っていました。
突然の出来事に、特に息子の夫は大きなショックを受けていました。ついこの間まで元気だった母が、急に動けなくなり、話せなくなってしまった。その現実を受け止めるのは、とても辛かったと思います。そばで見ていても、気持ちが落ち込んでいるのが分かりましたし、「もう長くないのかもしれない」という覚悟を固め始めているようにも見えました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
施設探しを考え始めたのは、病院からの勧めがきっかけでした。脳出血で倒れてから入院していたのですが、9月の初めに病院の先生とソーシャルワーカーさんを交えた面談があったんです。そこで、「もう一人暮らしを続けるのは難しいでしょう」というお話があり、施設を探すように言われました。それが、本格的に施設探しを始めることになった直接のきっかけです。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
施設への入居を決めること自体に、大きな葛藤があったというよりは、母の急な変化を受け入れることの方が辛かったです。7月まで元気に一人で暮らしていた母が、突然倒れて、話すことも動くこともできなくなってしまった。
その状況に、夫はずっと付き添っていました。やりきれない思いや、どうしようもない悲しさを抱えながら、母のそばにいる、そんな日々だったと思います。だからこそ、母が穏やかに過ごせる場所を見つけることが、私たち家族にとって一番大切なことでした。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学に伺った施設は、まだオープン前の新しい施設でした。そのため、まだ工事中の部分があったんです。一番気になったのは、エレベーターがまだ設置されていなかったことでした。母の部屋は上の階、お風呂は下の階にあると聞いていたので、寝たきりの母をどうやってお風呂に入れてくれるんだろう、という点がとても不安でしたね。施設の方からは「12月の初めには完成します」と説明を受けましたが、それまでの間が少し心配でした。