何ものにも代えがたい「自由」がある環境
これが、私たちにとって最大の決め手でした。以前の施設で、親族の葬儀にさえ参列できなかった父の無念を思うと、今でも胸が痛みます。人間としての尊厳や、これまで大切にしてきた家族・親戚との繋がりを、施設のルールで一方的に断ち切られてしまうのは絶対にあってはならない、そう強く感じていました。
今の施設は、外出、外泊、外食が原則として認められています。もちろん、本人の体調や安全への配慮は必要ですが、その上で「当たり前の自由」が保障されている。このことが、父の精神的な安定にどれほど大きく貢献しているか分かりません。「今日は少し散歩に出かけよう」「週末は家族と外で食事をしよう」そういった選択肢があるだけで、日々の暮らしのハリは全く違うものになります。父のために、この環境を選べたことを心から嬉しく思っています。
新築の清潔感と、家族に寄り添う職員の対応
毎日過ごす場所だからこそ、環境はとても重要です。この施設はオープンしたばかりだったため、どこも新しく、非常に清潔でした。気持ちよく過ごせる空間は、やはり大切です。
そして、職員の方々の対応も決め手の一つでした。見学の際に、私たちの話を親身に聞いてくださり、この施設だけでなく、同系列の他の施設まで案内して比較検討させてくれたのです。その丁寧な姿勢から、「入居者だけでなく、その家族の気持ちにも寄り添ってくれる施設なんだ」と感じることができました。入居後も、急な面会のお願いに柔軟に対応してくださるなど、マニュアル一辺倒ではない温かさを感じています。何かあれば質問できる、という安心感が、離れて暮らす私たち家族の支えになっています。
面会が楽しみに変わる「アクセスの良さ」
施設へのアクセスの良さは、想像以上に重要でした。この施設は、駅から歩いても15分ほどですし、バスの便も良いようです。私たちは主に車で面会に行きますが、大通りから少し入った分かりやすい場所にあり、運転が苦手な私でも迷うことはありません。
特にありがたいのが、駐車場です。面会の予約をする際に、駐車場の割り振りも考慮してくださっているようで、「行ってみたら満車で停められなかった」という経験は一度もありません。10台ほどのスペースですが、きちんと管理されているので安心して向かうことができます。施設が遠かったり、交通の便が悪かったりすると、どうしても面会に行くのが億劫になってしまうこともあると思います。通いやすいからこそ、気軽に父に会いに行ける。この「通いやすさ」が、結果的に親子の時間が増えることに繋がっていると感じています。