入居前はどのような状況でしたか?
父が亡くなった後、母は一人で暮らしていましたが、74歳の時に脳梗塞で倒れてしまいました。
幸いケアマネージャーさんが訪ねてくれた際に発見されたのですが、体が不自由になり、歩行もままならない状態になってしまったのです。その影響で軽い認知症の症状も見られるようになりました。
当時、私は母とは別に暮らしていましたが、父の闘病を自宅で看取った後だったこともあり、母のことが心配でなりませんでした。毎週のように実家に通い、土日の休みはほとんど母のために費やす日々。正直なところ、精神的にも体力的にもかなり参っていました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
施設探しを始めたのは、母自身の希望がきっかけでした。自宅で一人でいる時に倒れたことが、本人にとって軽いトラウマになっていたようです。
入院後、リハビリ専門の老健に半年ほどお世話になっていたのですが、「家に帰るのが怖い。また一人で倒れたらどうしよう」と不安を口にするようになり、自ら施設への入居を望むようになりました。
老健は長く入所できる場所ではないため、退所後の生活をどうするかは大きな課題でした。そんな時、老健の方が施設探しの仲介業者さんを紹介してくださり、そのご縁で今の施設と出会うことができたのです。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
母を施設に入れることについて、不思議と罪悪感や葛藤はありませんでした。というのも、母自身がそれを強く望んでくれていたからです。むしろ、私の気持ちとしては、安堵感の方が大きかったかもしれません。
父の看病から続く介護の日々で、私自身も心身ともに限界を感じていました。このままでは共倒れになってしまうかもしれない、という不安もありました。ですから、母が専門のスタッフさんがいる環境で安心して暮らせるのなら、それがお互いにとって一番良い選択だと、すんなり受け入れることができたのです。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学に行ったのは今の施設が初めてでしたが、特に不安や気になる点はありませんでした。ちょうど開設して間もない時期だったため、建物全体がとても新しく、清潔感にあふれていたのが印象的です。もちろん、費用面での覚悟は必要でしたが、そこは私が支えようと決めていましたので、大きな問題ではありませんでした。
何より、母の自宅があったのと同じ区内にあり、慣れ親しんだ地域で生活を続けられるという点が大きかったです。そのため、他の施設と比較検討することなく、すぐに入居を決めました。