入居前はどのような状況でしたか?
母は70代半ばで、要介護2の認定を受けていました。
もともと脊椎の側弯症の手術の影響で人工肛門を使っており、股関節も人工股関節でした。それでも何とか生活はできていたのですが、自宅で転んで頸椎を痛めてしまってから、だんだんと歩くのが難しくなっていったんです。
当時、母と私は二人暮らしでした。私は日中仕事をしているため、歩行が困難になった母を一人で家に残しておくわけにはいきません。母のそばにいると仕事に行けず、仕事に行くと母が心配という状況で、精神的にも追い詰められていました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
施設探しを始めた直接のきっかけは、母が自宅で転倒し、歩行が困難になったことです。私一人で仕事と介護を両立させるのが現実的に不可能になり、「このままでは共倒れになってしまう」と感じました。母が安全に過ごせる場所と、私が安心して仕事に行ける環境を確保するために、施設への入居を考え始め、急いで探し始めました。
テレビで見た紹介会社に相談したのですが、紹介された2つの施設は、まだ自立して生活できる方向けの場所で、母の状態には合いませんでした。結局、今回お話しする施設は、私自身で探し出したんです。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
入居の決断にあたって、正直なところ、感傷に浸ったり、罪悪感で悩んだりする余裕はありませんでした。母の身体は日に日に弱っていき、在宅での介護は限界でした。仕事に行けない、でも介護もしなければならないという状況で、「とにかく早く母が安心して暮らせる場所を見つけなければ」という思いで必死でした。二人での生活を守るための、他に選択肢のない決断だったと思っています。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学の際に不安に感じた点はいくつかありました。
まず、運営母体が建設会社ということで、介護の専門ではないという点に少し懸念がありました。施設がオープンしてまだ1年ほどだったため、スタッフの方々もまだ業務に慣れていないのではないか、という心配もありました。
また、建物がビル型だったことも気になった点です。ワンフロアではなく7階建てほどの建物で、スタッフの方々はエレベーターで各階を移動します。母が入居を検討していたのは6階でしたが、事務所は3階にあり、何かあった時の対応が遅れてしまうのではないか、という構造上の不安を感じました。