入居前はどのような状況でしたか?
母は元々、私の弟と同居していましたが、弟の健康上の問題から介護が難しくなり、私の家で同居することになりました。私自身も親は家族で見るものだという思いがあり、自宅での介護生活をスタートさせました。当時、母は家の中では手すりなどを使って歩いていました。しかし、外や施設外では押し車が欠かせない状態でした。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
母の介護中に、私自身が病気で手術を受けることになり、体力的に母の介護を続けるのが難しくなってしまいました。特に心配だったのは転倒のリスクです。以前、デイサービスから帰宅した際に家の前で転んでしまったことがあり、母は転倒しても隠そうとする傾向があったので、私が仕事で家にいない間に何かあっても気づけないという不安が常にありました。手術後は、体力的に自力で母を起こし上げたり、入浴介助をしたりといったことができなくなってしまったのです。
「このままでは母の安全が守れない。そして、私自身も共倒れになってしまうかもしれない」という危機感から、施設への入居を決断しました。まだ母が自分で動ける元気なうちに施設を探し、入居することが私たち家族にとって最善だと考えたんです。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
施設へ入居させることに対して、葛藤や罪悪感はありました。もちろん、家族が最期まで寄り添って介護できるのが理想だと思います。
しかし、私たち家族だけでは母の安全と健康を守ることが難しいという現実がありました。特に、私が日中は仕事で家を空けるため、母が一人でいる間に何かあったらどうしようという不安が常につきまとっていたんです。
「家族だけで見ることができない以上、プロの力を借りて、母が安心して生活できる環境を整えることが大切だ」と気持ちを切り替えました。施設に入居することで、母が専門的なケアを受けられ、私自身の不安が減って、安心できると考えたのです。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
施設を探し始めた際、まず不安に感じたのは医療対応でした。母は糖尿病でインスリン注射が必須だったのですが、多くの施設に問い合わせてみても、「対応可能」とホームページに書かれていても、実際には「難しい」と言われることが多く、これが大きな壁でした。
また、当初、現在入居している施設と同じ系列の別の施設を検討していたのですが、そちらは部屋が空かないという問題に直面しました。これにより、入居の時期が不確定になるという新たな不安も発生しました。