SOMPOケア そんぽの家　浄心
に87歳・男性・要介護1で入居中の方へのインタビュー

母が亡くなってから7〜8年ほど、父は一人で頑張って暮らしていました。私は車で1時間ほどの距離に住んでいるので、時々様子を見に行ってはいたのですが、だんだんと身の回りのことや薬の管理ができていないのが気になっていました。1ヶ月分のお薬が3ヶ月くらい残っていたりして…。 そんな時、父の方から「一人も大変だし、施設に入ろうか」と言ってくれたんです。その一言が、本格的に施設を探すきっかけになりましたね。

私たちの場合は、父も私も施設に対してあまり抵抗がなかったんです。 実は以前、母が病気で3年ほど施設にお世話になった経験がありまして。その時の経験から、父も私も「施設は専門の方によくみてもらえる、安心な場所」というイメージを持っていました。だから、父を無理やり入れるという感覚は全くなく、父も「入る」と言ってくれたので、スムーズに探し始めることができました。

入居して1年以上経ちますが、父は落ち着いて暮らしています。 認知症の症状は少しずつ進んでいるかな、と感じる部分はありますが、それは入る前からなので。何より、時々かけてくる電話で、父自身が「ここはきちんと見てもらえるから、家にいた時よりも安心だ」と言ってくれるんです。週に1回は顔を見に行きますが、顔色もとても良くて。「お父さん、100歳まで生きちゃうね」なんて笑っています。 食事の準備や薬の心配から解放されて、父自身が一番ほっとしているのかもしれません。その父の安心した顔を見られることが、私の安心にもなっています。

施設によって色々違うということは聞いていましたから、見学はちゃんとしておこうと。最終的に2つの施設を見学しました。今の施設に決めた一番の理由は、雰囲気ですね。 中に入った時に、施設全体が広くて、すごく明るい感じがしたんです。スタッフの方も感じが良くて。父も私も「ここがいいね」と意見が一致して、入居を決めました。

ここの施設は、若いスタッフさんが多くて、皆さんすごく感じがいいんです。私たちみたいな年齢の者が生活のために働く、というのとはまた違う、純粋な気持ちで働いてくださっているように見えて。若い方が辞めずに定着しているということは、働きやすい環境なんだろうなと思いますし、それが父たち入居者への良い対応に繋がっているんだと感じます。面会に行くと気持ちよく挨拶してくださるので、こちらも嬉しくなりますね。

施設では、本人の希望に合わせて日々の楽しみをサポートしてくれます。父は体操が好きなんですが、自分で「何時に行かなきゃ」と時間を気にして動くのは、なかなか難しいんです。でも、スタッフの方が「今から体操あるよ」って、必ず声をかけに来てくださるそうで。そうやって誘ってもらえると、父も「行こうか」という気持ちになるみたいで、とても助かっています。 他にも、お習字をやる教室など、色々なことがあるみたいです。父はなかなか参加しないんですけどね。『下手でもいいから頭使うからいいよ』って言っても、本人が乗り気じゃないことをやらせるのは難しいですから。そうやって本人の意思を尊重して、無理強いしないところがいいなと思います。 最近では、希望すれば参加できるバスでのお出かけなども企画してくださって。父は元気なので、さっそく次の回に申し込みました。「こういう催しがありますけど、どうですか」と施設の方から聞いていただいて、無理強いされることなく本人の希望で参加できるのがいいですね。

面会が自由なのも、本当にありがたいです。予約もいりませんし、自分の都合のいい時に行かせてもらえるので、とても助かっています。 あと、食べることが大好きな父ですが、糖尿病もあるのでお菓子を置いておくと、あるだけ全部食べてしまうんです。そのことを相談したら、「袋ごと預けてくだされば、毎日適量をおやつの時間に出しますよ」と快く引き受けてくださって。お医者様にも確認を取った上で対応してくださるので、父の楽しみを奪わずに健康管理もできて、本当に感謝しています。一人ひとりの状況に合わせて、こんなに柔軟に対応していただけるとは思っていませんでした。

本当に、特に困っていることや「こうしてほしい」ということはないんです。 強いて言うなら、入居が決まったお部屋のことでしょうか。見学の時は2階のお部屋を見せていただいたのですが、入居のタイミングで空きが出たのが1階だったんです。最初は「あら、見晴らしが…」と少しだけ残念に思ったんですが、弟に「1階の方がスタッフさんの詰所に近いし、何かあった時すぐに来てもらえるから、かえって良いんじゃないか」と言われて。それもそうだな、と。今では、1階でかえって良かったなと思っています。

今回お話を伺った娘様は、お母様の介護を経験されたことから、施設に対して非常に前向きでクリアな視点をお持ちでした。だからこそ、お父様にとって何が大切かを冷静に見極め、ご本人も納得のいく施設選びができたのだと感じます。「父が安心だと言ってくれるのが一番」と話す声は、喜びに満ちていました。お父様の意思を尊重し、ご自身の安心にも繋げる。そんな理想的な施設との関係性を築かれている、素敵なお話でした。