入居前はどのような状況でしたか?
母は92歳で、要介護1の認定を受けていました。一人暮らしをしており、杖を使えば自分で歩くことはできましたが、軽度の認知症がありました。物忘れをしたり、同じ話を何度も繰り返したり。特に、すでに亡くなっている父のことをまだいるかのように話すこともあり、時々せん妄の症状が出ることもありました。幸い大きな病気はなく健康でしたが、高齢で一人暮らしをさせていることに、家族としては常にどこか気がかりな気持ちを抱いていました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
母が高齢になり、認知症の症状も少しずつ見られるようになってきたことが、施設探しを考え始めた直接のきっかけです。特に大きな出来事があったわけではありませんが、このまま一人で暮らさせて、何かあってからでは遅いという気持ちが日に日に強くなっていきました。
姉は近くに住んでいましたが、私も遠方におり、常にそばにいてあげられるわけではないため、専門の方に見守っていただける環境の方が母にとっても安心なのではないかと考え、本格的に施設を探し始めました。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
これまで施設というものに入ったことがない母が、新しい環境での集団生活を受け入れられるだろうか、嫌がってしまうのではないか、という点が一番の気がかりでした。本人の気持ちを考えると、長年住み慣れた家から離れさせることに申し訳ない気持ちもありましたし、本当にここで暮らしていけるのだろうかという不安は、決断する最後の瞬間までずっと心の中にありました。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学の際に不安だったのは、大きく分けて2つありました。1つは、この先、母の状態が変化していったときに、最後までここで面倒を見ていただけるのかどうかという点です。もう1つは、母自身に関することで、もし母が施設での生活を嫌がってしまった場合、どうなるのかということでした。退去時のことや一時金の返還についても、念のため詳しくお話を伺いました。やはり、母が新しい環境に馴染めるかどうかが一番の心配でしたね。