入居前はどのような状況でしたか?
母はもともと一人暮らしでしたが、心房細動の持病がありました。それから脳梗塞を数回発症し、3回目の脳梗塞で入院した際、後遺症として左目の視野が半分欠損してしまいました。認知症については、私も物忘れはありますし、それくらいの本当に軽い軽度のもので、あまり気にはしていませんでした。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
3回目の脳梗塞で入院中、病院の先生から「この状態での一人暮らしは難しい。施設に入った方がいいのではないか」とお話があったのが直接のきっかけです。
ただ、時期が12月で、年末年始を挟んでいたこともあり、病院側からは「年末年始は病床を空けておかなければいけないから、早く探してほしい」と、かなり急かされているような状況でした。
「退院が難しいなら転院を」とも言われましたが、それも本当に2、3日前に突然言われるんです。「そんな急に言われても、仕事の予定が…」とお伝えし、なんとか元の病院に入院を続けさせてもらいながら、施設探しを進めました。
結局、入居したのが翌年の1月末ですから、施設探しに充てられたのは実質1ヶ月ほどしかありませんでした。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
できれば娘である私が自宅で見てあげたいという気持ちが一番強かったです。でも、私の家には連れてくることが難しかったんです。
私自身もまだ仕事がありますし、下の子がまだ中学生で手がかかる時期でした。母を家に連れてきても結局、日中は一人になってしまいます。そうなると、視野が欠けた状態の母を一人にしておくのは、一人暮らしの時と何も変わりません。
かといって、仕事や今の生活をすべて辞めて母の介護に専念する、という決断も現実的には難しく…。本当に悩んだ末に「施設に入れるしかなかった」というのが正直なところです。
入居してからも、「本当にこれで良かったのか」「どうにか他に方法はなかったのか」と、今でも時々考えてしまうことはありますね。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
施設探しは、病院から退院を急かされていたことや、年末年始を挟んでいたことに加え、母が生活保護を利用していたため、「受け入れてくれるところ」という条件もあり、選択肢が非常に限られていました。
本当はもっと色々見たかったのですが、空きがなかったり、見学の予定も子供がインフルエンザにかかってしまい、「施設に持ち込むわけにはいかない」と思い、1件キャンセルしたりと、結局2件しか見学に行けませんでした。
もう一件見に行った福寿さんは住宅型でサポートが手厚そうでしたが、日中はほとんど皆さんで一緒に過ごすというスタイルでした。それはそれで手厚くて有り難いのですが、母の性格を考えると、ずっと誰かと一緒というのは疲れてしまうのではないか、一人の時間が持てる方がいいのではないか、と思ったんです。