入居前の状況
母は認知症があり、入居前は父と私のいる自宅で過ごしていました。私が仕事で日中家を空ける中、食事やお手洗いなど、すべてのことに介助が必要な状態で、父の負担も相当なものでした。夜中も2時間おきにトイレに連れて行かなければならず、徘徊もあったので、正直、もう自宅で面倒を見るのは限界だと感じていました。
施設探しを始めたきっかけ
デイケアやショートステイも利用していましたが、以前母が発熱した際に自宅に帰されてしまったことがありました。当時はまだコロナ禍の影響も色濃く、発熱外来はどこも受け付けてくれず、何十件も電話してようやく診てもらえる病院を見つけましたが、その間、仕事ができなかったりという大変な経験もしました。こういった経験も、施設入居を考える大きなきっかけになりましたね。
入居決断時の葛藤・罪悪感
もちろん、「できることなら自分の手で面倒を見てあげたい」という気持ちはありました。でも、現実的にそれは不可能だということは、私も父も理解していました。ですので、葛藤というよりは「やむを得ず」施設を探すことにした、というのが正直なところです。自宅にヘルパーさんに来ていただくという選択肢もありましたが、全く知らない方が家に入るということに、どうしても抵抗がありました。
見学時の施設に対する不安
いくつか施設も見学しました。グループホームは母の状態では入居が難しく、他の施設では、多くの入居者さんが意思の疎通が難しい状態で、正直に言うと「人として扱われていない」ように感じてしまう場面もありました。それを見た父が「こういうところには入れたくない」と強く反対したんです。