本人の尊厳を守ってくれる、トイレ付きの個室
母が新しい施設に来て、一番喜んでいたのがトイレが自由になったことでした。
老健ではトイレが共用で、他の入居者さんと並んで待つ必要があったそうなんです。尿意を我慢するのが本当に大変だったみたいで…。
今の施設は、プライベートが確保された個室に専用のトイレが付いています。誰にも気兼ねなく、自分のペースで使える。当たり前のことのようですが、排泄の自立は、人の尊厳に関わる本当に大切なことなのだと改めて痛感しました。母が「これがすごく良かった」と話してくれた時は、この施設を選んで心から良かったと思いましたね。
「歩きたい」という気持ちを尊重してくれる手厚いケア
もう一つ、私たちが「ここしかない」と感じたのは、本人の「歩きたい」という気持ちを尊重してくれる姿勢です。
母はまだ自分の足でしっかり歩けるんですが、転倒のリスクを考えると、施設側としては安全を優先して「車椅子で」と言うのが普通かもしれません。実際、入居していた老健ではそう言われていました。
でも、この施設は違ったんです。本人が歩きたい時には、スタッフの方が見守る中で、思う存分歩かせてくれる。危ないからと制限するのではなく、「どうすれば安全に本人の意思を尊重できるか」を一緒に考えてくれる姿勢に本当に救われました。この配慮が、母のADLの維持だけでなく、生きる気力そのものに繋がっていると感じています。
いつでも会える安心感。自由な面会と1階スタッフ室の存在
私たち家族にとって、いつでも気兼ねなく会いに行けること、そして母がいつでもスタッフの方を頼れること。この二つの安心感も決め手になりました。
ここの施設は、面会や外出が本当に自由なんです。お部屋の中には同時に2人までというのはありますが、時間制限なども特にないので、こちらの都合に合わせてふらっと顔を出すことができます。
また、母の部屋は1階にあるのですが、すぐ近くにスタッフの方々がいる部屋があるんです。何かあってもすぐに来てくれる、という安心感は、本人にとっても大きいと思います。物理的な距離が近いことで、いざという時に頼れる存在がそばにいる。この環境が、母と私たちの大きな安心に繋がっています。
医師や薬剤師にも気軽に相談できる、風通しの良い環境
最後の決め手は、スタッフの方々の話しやすさですね。
訪問診療に来てくださるお医者様や薬剤師さんも、老健の時以上にすごくフランクに相談に乗ってくださるんです。専門的なことでも、こちらが分かるようにオープンに話してくれる。その姿勢が、とても信頼できるなと感じました。
施設長さんも本当にしっかりした方で、何か困ったことがあっても、一人で抱え込まずにすぐに相談できる。この風通しの良さ、話しやすさが、私たち家族の精神的な負担を軽くしてくれていると、日々感じています。