父が歩けるような、広々とした環境
見学した施設の中に、今お世話になっている「イリーゼ東久留米」さんと、同じ系列の「イリーゼ新座」さんがありました。自宅からの距離はどちらも同じくらいだったのですが、新座さんの方が少しこぢんまりとした造りで、東久留米さんの方が建物全体が広々としていました。
特に印象的だったのが「廊下の長さ」です。当時はまだ父も自分の足でしっかり歩けていたので、「廊下が長い方が、本人が歩く練習にもなって良いかもしれない」と考えました。リハビリとまではいかなくても、日常生活の中で自然と体を動かせる環境は、父にとってプラスになるだろうと思ったんです。それが、この施設を選んだ一番の理由です。
皮肉なことに、今では父も歩行器を使うのがやっとになり、その長い廊下が逆に「食堂までが遠い」という負担になってしまっているのですが…。それでも、当時は父の身体能力を維持したいという思いが強く、この広々とした環境がとても魅力的に見えました。
複数の施設を比較して、納得して決めることができた。
初めての施設探しだったので、1つの施設だけを見て決めるのは不安でした。だからこそ、いくつかの施設に足を運び、それぞれの良い点、気になる点を自分の目で確かめられたのは良かったと思っています。
他の施設と比較したからこそ、「こちらは廊下が広々としているな」「あちらは少し狭いかな」といった具体的な違いが分かりました。金額や居室の設備といった基本的な条件はもちろんですが、やはり実際に訪れてみないと分からない雰囲気や広さの感覚は、とても重要だと感じます。
専門の相談員の方に候補をいくつか挙げてもらい、その中から見学先を絞れたのも効率的でした。たくさんの施設の中から、自分たちだけで比較検討するのは大変だったと思います。最終的に「ここなら」と納得して父を預ける決断ができたのは、きちんと比較検討のステップを踏めたからだと思います。
居室にトイレがあるなど、生活の基盤が整っていた。
細かいことかもしれませんが、見学時に必ずチェックしていたのが「居室にトイレがついているか」という点でした。父のプライバシーや、夜中の移動などを考えると、やはり部屋の中にトイレがあることは私たちにとって必須の条件でした。
その点、今の施設はきちんと条件を満たしていましたし、施設全体も汚いという印象はなく、明るい雰囲気だったことも安心材料の一つです。
たくさんの不安や分からないことがある中での施設選びでしたが、「金額」「広さ」「設備」といった自分たちなりの基準を持って見学することで、少しずつ父に合う場所を見つけることができたように思います。これから施設を探される方も、まずは「これだけは譲れない」という条件を家族で話し合ってみるのが良いかもしれません。