SOMPOケア そんぽの家Ｓ柏青葉台
に82歳・女性・要支援1で入居中の方へのインタビュー

父が亡くなってから2年ほど、母は持ち家のマンションで一人暮らしをしていました。私と妹は少し離れたところに住んでいるため、なかなか頻繁に顔を出すことはできません。それまでは全て自分でやってくれていて、宅配の食事サービスを取り入れるなど、なんとか一人で暮らしていけるように工夫を重ねている状況でした。

一番のきっかけは、やはり離れて暮らす母の一人暮らしに、いよいよ限界を感じ始めたことです。基本的には、自宅のマンションにいながら、私たち子どもが通わなくても全て自分でできる、という状況が望ましかったのですが、それが厳しくなってきて。私たち家族が「安心したい」という気持ちが大きかったですね。

施設に入れること自体に、そこまで強い抵抗があったわけではありません。それよりも、母のその時の健康状態や自立の度合いを一番に考えて、なるべく負担なく、一番適している場所はどこか、という視点で探していました。ただ、母には間取りなどへのこだわりもありましたし、それとは別に、これまで住んでいた自宅マンションを今後どうするのか、という現実的な問題もありましたね。

施設探しは入居の1年ほど前から始め、3つくらいの施設を実際に見学しました。その中で、第一希望の施設が見つかりました。環境が良く、母の希望にも近かったので気に入ったのですが、とても人気で予約待ちの状態でした。一応、仮申し込みだけはしたものの、いつ入居できるか全く見通しが立たなかったので、次を探すことにしました。本当に早め早めに動かないと、希望のところを見つけるのは難しい、と感じましたね。

入居してからは「住めば都」という感じで、母はすっかり新しい生活に慣れているようです。施設にはヘルパーさんもいますし、夜間もスタッフの方が常駐してくれているようなので、何かあったときに対応してもらえるという安心感があります。施設ではイベントなども色々やっているようですが、母は特に参加はしていないみたいですね。昼と夜に頼んでいる食事が、ちょうど安否の確認にもなっているようで、その点も心強いです。こうした見守りがあることが、私たち家族にとっての一番の心の支えになっています。

施設探しを1年近く続ける中で、全ての希望を100%満たすのは難しく、どこかで妥協点を見つける必要がある、ということが分かってきました。今の施設に決めたのは、ちょうどタイミングよく角部屋が空き、「今決めないと次に回してしまう」という状況だったことも大きいです。もちろん、サ高住としての自由度の高さや清潔感などが、母の希望に近かったのが前提にあります。

今の施設は、そこまで新しい建物というわけではありません。でも、見学に行ったとき、古さを全く感じさせないくらい、きれいに管理されているのがとても印象的でした。 外観も、共用スペースも、もちろん部屋の中も、非常に清潔感があって気持ちがいいんです。毎日過ごす場所ですから、この「清潔感」は非常に重要なポイントでした。管理が行き届いていると感じられると、他のサービス面でも信頼できるんじゃないか、という安心感にも繋がります。入居してからもその印象は変わらず、母も快適に生活できているようです。

施設の立地は、駅から少し離れている分、敷地は広々としていますし、住宅街なので本当に静かです。母も、もう自力でどんどん外に出ていくという状態ではないので、むしろ落ち着いて過ごせるこの環境が合っているように感じます。 周りに何もないわけではなく、隣の敷地にスーパーがあったり、近くにドラッグストアもあるので、ちょっとした買い物にも困りません。静かな環境で暮らしながらも、生活に必要なものはすぐ近くで揃う。このバランスが、今の母にとってはちょうど良かったのだと思っています。

サ高住を選んだ一番の理由ですが、やはり「自由度の高さ」が決め手でした。出入りが自由なので、私たち家族が面会に行くのも特に制限はなく、部屋でゆっくりと過ごすことができます。 また、母には、これまでの生活スタイルをなるべく変えたくない、という強い思いがあったんです。特にこだわっていたのが、食事のスタイルと、部屋にキッチンがあることでした。今の施設では、昼と夜は施設の食事をお願いしていますが、朝食は部屋のキッチンで自分で好きなものを用意して食べています。食材は生協の宅配サービスを利用しており、施設にいながらそういった外部のサービスを使えるのも、サ高住ならではの魅力だと感じます。 全部を施設にお任せするのではなく、できることは自分でする。この柔軟な対応が、母が納得して入居を決断できた、一番大きな理由だったと思います。

あえて言うとすれば、施設の食事の味が、口に合わないことがあるようです。ただ、「我慢できない」というほどではないようです。また、駅から少し離れているので、車がないとアクセスが不便な点は、懸念点ではありますね。

お父様が亡くなられてからのお母様の一人暮らしを、なんとか支えたいという思いと、離れて暮らす中での限界。そのリアルな葛藤の中から始まった施設探しだったことが、お話の端々から伝わってきました。 「良い施設は、本当に早く埋まってしまう」「早く決めて、押さえておくぐらいな感じにしとかないとダメかもしれない」。この言葉は、これから施設を探される方にとって、非常に重要なアドバイスだと感じます。アクセス、費用、環境、本人の希望…たくさんの条件がある中で、どこを優先し、どこで折り合いをつけるのか。ご自身が施設探しで感じた気づきを率直に語ってくださる姿に、お母様を思う誠実なお人柄が滲み出ていらっしゃいました。