入居前はどのような状況でしたか?
母は入居当時79歳で、父と二人で暮らしていました。
もともと活発な人でしたが、転倒で膝を痛めて人工関節の手術を受けたことや、軽い脳梗塞を患ったことなどが重なり、徐々に身体が不自由になっていきました。
決定打となったのは、コロナウイルスへの感染です。
かなり重症化してしまい、退院後には自力で歩くことがほとんどできなくなってしまいました。
リハビリのために3ヶ月ほど介護老人保健施設(老健)に入所したのですが、それでも在宅での生活に戻るのは難しい状況でした。
私自身もどうすれば良いか途方に暮れていたのを覚えています。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
老健を退所するタイミングで、担当のケアマネージャーさんから「ご自宅での介護は難しいでしょう」という専門的な見解をいただきました。
私たち家族としても、父だけで母の介護をすべて担うのは現実的ではないと感じていたため、施設への入居を本格的に考え始めました。
当初は特別養護老人ホーム(特養)も検討しましたが、その時の母の要介護度は2。
私たちの住む地域では、特別な事情がない限りすぐに入居するのは難しい状況でした。
都内で民間の施設を探そうにも、費用面で折り合いがつくところがなかなか見つかりません。
そこで、範囲を広げて都外の施設も探し始めました。
そんな中、妹がインターネットで見つけてきてくれたのが、埼玉県にあるこの施設でした。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
ケアマネージャーさんから専門的なアドバイスをいただき、母の安全を第一に考えると、施設にお願いするのが最善の選択だと頭では理解していました。
自宅での介護には限界があり、無理をすれば共倒れになりかねません。
そのため、施設への入居を決めるにあたって大きな葛藤があったというよりは、母のために必要な手続きを進めなければ、という気持ちでした。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学をさせていただいた際、特に不安に感じる点はありませんでした。
お部屋はすべて個室で、それぞれにトイレやクローゼットがきちんと備え付けられていたので、生活する上で不便はなさそうだと感じました。
介護施設ではスタッフさんの人数が足りているかどうかが気になるところですが、見学した限りでは、極端に人手が少ないという印象も受けませんでした。
もちろん、社会全体で人手不足が言われている中ですから、完璧を求めるのは難しいと思いますが、入居者さんの対応が後回しになるような雰囲気はなく、安心したのを覚えています。