入居前の状況
もともと、妻とは埼玉で二人で暮らしていました。しかし、彼女の病気は進行性で、日に日に身体が不自由になっていく。私一人で仕事と介護を両立させるのが難しくなり、一時的に妻は大阪にある彼女の実家でお世話になることになりました。
そこでは、妻の両親と弟が3人で、約1年半もの間、本当に一生懸命に介護をしてくれました。その間、私は埼玉で妻を呼び戻すための準備と、障害年金をはじめとする様々な支援制度の手続きに奔走する日々。手続きは複雑で、なかなか前に進みませんでした。
施設探しを始めたきっかけ
ようやく埼玉で一緒に暮らせる目処が立った時、いよいよ施設を探し始めました。実家の親からも「一人で本当に大丈夫なのか?」と心配されていましたし、正直なところ、私一人ですべてを抱えることには限界を感じていました。
実は、最初にある施設への入居が一度決まっていたんです。しかし、直前になって「うちでは対応できる環境ではない」と、施設側から受け入れが難しいという話になってしまいました。まさに梯子を外されたような状態で、また一から探し直しです。
そんな慌ただしい中で出会ったのが、今の施設さんでした。幸いにも、私の自宅のすぐ近所に見つかり、見学に行くことにしたのです。
見学時の施設に対する不安
見学時の施設の印象は良かったですね。建物は木造で、浴槽も木なのか、施設全体に木の匂いがふんわりと漂っていました。清掃もきちんとされていて、清潔感があったのを覚えています。
そして何より、所長さんが私たちの話をとても真摯に聞いてくださったのが大きかったです。「この人がいるなら、施設全体がしっかりまとまっているだろうな」という安心感を抱くことができました。
料金の説明も分かりやすかったです。もちろん、安い金額ではありません。でも、「この金額はおかしい」と交渉してどうにかなるものでもないですし、「こういうものなのだろう」と納得して、言われた通りの金額でお願いすることにしました。